【概要】
前回、時制についてご説明しました。
時制はとても厄介者であり、英語を難しくし、流暢に話せなくしている要因の一つです。
それを克服するのが、今日ご紹介する「悪魔の時制ドリル」です。
英語は慣れ、という部分もあるため、一度理屈を理解したら、後はいかに体に染み込ませていくか、を考え練習すれば、上達します。
私も過去にひたすらやりましたが、非常に効果的ですので、是非、実践して見て下さい。
元ネタ
時制ドリルは、私が尊敬する英語教育者の一人であり、日本にいながら英語がペラペラになったという故長崎玄弥(ながさきげんや)氏が実践していたと言われる方法です。
私もよく電車の中などでぼそぼそと練習していたものです。
瞬時に言いたい英語が口をついて出てくることを狙った、非常に有効な練習方法の一つです。
体に染み込ませることがいかに大切かについては、過去記事「英語上達のたった一つの本質」も併せてお読み下さい。
「時制」の全体感
まず、時制の全体感を再確認します。
<図1.12の時制>
過去、現在、未来というように時間の流れがあります。
そこに「完了」と「進行」という2つの側面が入り込み、結果として英語では12の時について言うことが可能となっています。
(1)~(12)に、実際の「型」をあてはめたものが、下図になります。
<図2.12の時制の型>
全て、以前に詳しくご説明していますので、気になる方は過去記事をご覧下さい。
時制ドリル:練習方法
上記12の英語部分だけを抜粋したものが以下になります。
実際、ドリルで使用するものとなります。
これを、スピード感をもって、声に出して練習するのです。
<図3.時制ドリル:主語「I」、動詞「go」>
主語は1人称「I」から始めて、3人称の複数までを入れ替えて練習します。
動詞は何でも良いのですが、ここでは「go(行く)」と使って練習することにします。
上記の順番は、時の概念(いつの事か?)さえ理解していれば、入れ替えてもOKですが、時制の順番通り(上の通り)が良いでしょう。
時制の型に慣れることが最大の目的ですから、意味が変だ、というのは気にしないで下さい。
「いつのことを話しているのか」といったイメージを持ちながら練習することが大切ですので、下図を使って練習して、英文を見ないようにします。
<図4.時の流れ>
英文を見ず、この時の流れ図だけを見て、スラスラと英文が口をついて出てくるまで、声に出して繰り返し練習します。
1文約1~2秒で、ポンポンと言っていきます。頭で文を考え、どの時を言っているのか意識しながら声に出して練習するのです。
一度もつっかえずに、スラスラと言えるようになれば終了です。
50回、100回も繰り返していると、覚えてしまい、スラスラ言えるようになります。
主語は入れ替えて練習します。主語が「I」の場合が終わったら、次は、1人称複数「we」、これが終わったら2人称単数の「you」、複数の「you」、最後に3人称単数「it」、複数「they」にして、文を作り何度も練習します。
主語が一周したら、今後は動詞を変えて、同じことを繰り返します。
時制ドリル文例 全文
以下、動詞を「go」にした場合の、主語を変えた全文を掲載します。
一つの動詞に対して主語のパターンは6つ、時制が12ありますから、全部で72文となります。
英語の文中のオレンジ部分は、主語により変化するところですから、留意しながら進めて下さい。
<図5.時制ドリル全文>
以上が72文全文です。これを一セットとして、繰り返し練習します。
まとめ
時制はとても厄介ですが、理屈を理解した後は、いかに慣れるか?が重要です。
今回ご紹介した「悪魔の時制ドリル」で何度も口に出して練習し、何も見ないでもスラスラ言えるようになるまで練習できれば、英語が飛躍的に上達するのを実感できると思いますよ!
今日も最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!