これからの中学生・高校生に求められる英語力とは?新学習指導要領から読み解く

こんちは。毎日、英語漬けで仕事をこなす、こじたむです。

自分の子供のため、最近の中学・高校英語の学習指導要領を確認してみたところ、どうやら、2020年から適用されるものに大きな変更があったようです。

今日は、新学習指導要領で記載されている内容から、中学生・高校生に求められる英語力とは何か?を読み解いていきたいと思います。

こんな悩みを持つ人におすすめだよ
悩み
  • これからの学校で期待される英語力はどの程度かな?
  • そのためにどのような準備をするのが良いのかな?
目次

学習指導要領とは何か?

学習指導要領とは、全国的に教育内容・質に違いが生じないように、文部科学省が定める教育課程(カリキュラム)と教科書作成の基準だ、と定義されています。

以下、文部科学省のHPからの抜粋です。

「学習指導要領」とは、全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準です。およそ10年に1度、改訂しています。

子供たちの教科書や時間割は、これを基に作られています

引用元:文部科学省

新学習指導要領の概要

文部科学省による「学習指導要領」が約10年ぶりに改訂となり、2020年、小学校から順次適用スタートとなっています。中学校は2021年度から、高校は2022年度から新しい課程が始まります。

出典:文部科学省

これが巷でかなりの騒ぎになっています。というのも10年ぶりというのもあり、大きな改訂があったためです。

では、今回の学習指導要領はどのような内容なのでしょうか?

文部科学省のHPで分かりやすく説明されていますので、そちらをまず見てみましょう。

(アンダーラインは筆者が加筆)

「改訂の込められた思い」

学校で学んだことが,子供たちの「生きる力」となって,明日に,そしてその先の人生につながってほしい。

これからの社会が,どんなに変化して予測困難な時代になっても,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,判断して行動し,それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。

そして,明るい未来を,共に創っていきたい

2020年度から始まる新しい「学習指導要領」には,そうした願いが込められています。

これまで大切にされてきた,子供たちに「生きる力」を育む,という目標は,これからも変わることはありません。一方で,社会の変化を見据え,新たな学びへと進化を目指します。

生きる力  学びの,その先へ

新しい「学習指導要領」の内容を,多くの方々と共有しながら,子供たちの学びを社会全体で応援していきたいと考えています。

引用元:文部科学省

「生きる力」とは前回の改訂時にも含まれていた言葉ですので新しくはありませんが、そこに至る過程として、より自主性を重んじ、自分で考えて課題を解決するという色が濃くなっています

「何ができるようになるの?(資質・能力の三つの柱)

新しい時代を生きる子供たちに必要な力を三つの柱として整理しました。「何のために学ぶのか」という学習の意義を共有しながら,授業の創意工夫や教科書等の教材の改善を引き出していけるよう,すべての教科でこの三つの柱に基づく子供たちの学びを後押しします。

・学んだことを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力

・実際の社会や生活で生きて働く知識及び技能

・未知の状況にも対応できる思考力、判断力、表現力など

社会に出てからも学校で学んだことを生かせるよう、三つの力をバランスよく育みます。

引用元:文部科学省

未知の世界でも自ら考えて行動して、何かを達成するという「成果主義」であるように感じます。

どのように学ぶの?(主体的・ 対話的で深い学び)

主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点から「何を学ぶか」だけでなく「どのように学ぶか」も重視して授業を改善します。

・一つ一つの知識がつながり、「わかった!」「おもしろい!」と思える授業に

・見通しをもって、粘り強く取り組む力が身に付く授業に

・周りの人たちと共に考え、学び、新しい発見や豊かな発想が生まれる授業に

・自分の学びを振り返り、次の学びや生活に生かす力を育む授業に

引用元:文部科学省

自身と他者をリードするリーダーシップを発揮して、反省と改善を繰り返し、成果を上げる重要性が説かれているように思われます。

「何を学ぶの?」

以下、赤字は「新設・変更部分」として紹介されている教科です。

小学校

小学3年生から英語活動が、5年生から正式な科目として英語の授業が始まるようです。

国語家庭(5,6年)
社会(3~6年)体育
算数外国語(5,6年)
理科(3~6年)特別の教科 道徳
生活(1,2年)外国語活動(3, 4年)
音楽総合的な学習の時間(3~6年)
図画工作          特別活動
引用元:文部科学省

中学校

小学校で英語の授業が始まりますので、中学校ではこれまでと比べ、かなり授業レベルが上がる可能性があります

国語技術・家庭
社会外国語
数学特別の教科 道徳
理科総合的な学習の時間
音楽特別活動
美術 
保健体育      
引用元:文部科学省

高等学校

高校ではディスカッションなど「聞く」「(論理的に)話す」により重点が置かれるため、これまでとは全く違う力が必要となりそうです

各学科に共通する各教科等 
国語芸術
地理歴史外国語
公民家庭
数学情報
理科理数
保健体育 
主として専門学科において開設される各教科 
農業福祉
工業理数
商業体育
水産音楽
家庭美術
看護英語
情報                     
引用元:文部科学省

「新たに取り組むこと,これからも重視することは?」

  • プログラミング教育
    • コンピュータがプログラムによって動き、社会で活用されていること体験し、学習します。
  • 外国語教育
    • 「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」の力を総合的に育みます。
  • 道徳教育
    • 自分ごととして「考え、議論する」授業などを通じて道徳性を育みます。
  • 言語能力の育成
    • 国語を要として、すべての教科等で子供たちの言葉の力を育みます。
  • 理数教育
    • 観察、実験などにより科学的に探究する学習活動や、データを分析し、課題を解決するための統計教育を充実します。
  • 伝統や文化に関する教育
    • 我が国や郷土が育んできた日本の伝統や文化を学びます。
  • 主権者教育
    • 社会の中で自立し、他者と連携・協働して社会に参画する力を育みます。
  • 消費者教育
    • 契約の重要性や消費者の権利と責任などについて学習し、自立した消費者として行動する力を育みます。
  • 特別支援教育
    • 幼児期から高等学校段階まで、全ての学校で障害に応じた指導を行い、一人一人の能力や可能性を最大限に伸ばします。

印象としては、論理的思考力が重視されている点と、「主権者教育」や「消費者教育」に見られるように、自己と他者をリードするリーダーシップ力と、自分で考え判断する自主性が重要視されているようです。

新学習指導要領のポイント

以上、新学習指導要領の概要を見てきましたが、我々はどのように受け止めれば良いのでしょうか?

興味深かった箇所は、ピンクのアンダーラインを引いていますが、要すれば、

「これからは不確実で先が読めない時代なのだから、自分の個性を大切にしつつ、自らが主体的に動き考え、英語なんかもバリバリ使って他者とコミュニケーションして周りを巻き込みながら行動し、科学的・論理的な思考力をもって課題を解決し、成果を出していけるような『生きる力』を育みましょう」

ということだと理解しました。

この点については、YouTubeで、大正大学教授の浦崎 太郎先生がとても分かりやすい説明をされているので拝借すると、これまでとこれからの教育に対する考え方は、以下のような大きな違いがあるということになります。

これまでの時代比較の観点これからの時代
高い(変化は緩慢・予測可能)未来の予測可能性低い(変化は急速・予測困難)
持続可能
(高度な経営手腕は不要)
日本や世界の成り行き
(施策の前提条件)
持続不能
(高度な経営手腕が必要)
規格品の大量生産国や地域の活路新たな価値の創造
均質性(個性封印・同調)有利な人材基盤多様性(個性開花)
固定的な組織・社会に従属組織・社会との関わり臨機応変にチームを再編
従順・指示待ち・前例踏襲変化への適応環境に敏感・絶えざる変革
組織の歯車としての性能より重要な能力他者と協働する能力
細分化された業務の達成度重視される成果目標掛け算した結果の到達度
低い(鈍感な方が楽)世を肌で感じる必要性高い(死活問題)
なくても済む学校と地域との協働必須
https://www.youtube.com/watch?v=35MxaYwA2dU

このような新学習指導要領の考え方は、今、社会で必要とされる能力として普通に社会人として過ごしていれば、耳にタコレベルで聞くことですので、特に驚きはありません。

社会・時代の要請に対して教育界も動いているなと感じた、というのが個人的な率直な感想です。

一方で、学生や教員からすれば、若干戸惑うかも知れません。先生を含めた親世代は「これまでの時代」を生きてきた人なのですから、いきなり変われ、と言われても感覚的によく分からないと思います。

端的にキーワードを挙げると、

  • 自身・他者をリードするリーダーシップ力(「生意気」とは違うことに留意)
  • 論理的な思考力と表現力
  • 問題解決能力
  • 新たな価値を創造する能力
  • 多様な人がいる環境下で他人を認めつつうまくやる能力
  • 外国人とバリバリコミュニケーションができる外国語力

といった言葉で整理できます。

学校で求められる英語力とは?

前置きが長くなってしまいましたが、学校の英語教育はどにような方向性なのでしょうか?

基本的には、上で見たような新学習指導要領の基本的な理念に基づいた英語教育がなされるようです。

まずはこれからの英語教育の全体像を見てみましょう。

出典:文部科学省

小学校英語のポイント

新たな試みとして、小学校3年生から外国語(英語)に慣れ親しむ授業を取り入れ、本格的な勉強を5年生から実施する、というものです。かつては中学校から英語の授業は始まったいましたが、今は小学校3年生から始まります。

言い換えると、これまでの中学1年生レベルの英語力は、小学校から身に付けて置かないと落ちこぼれる、ということになります。5年生からの本格授業開始に向けて、4年生くらいから、家庭で自主的に勉強を開始しておく必要がありそうです。

しかも会話(聞く・話す)に重点が置かれることになりそうです。

中学校英語のポイント

授業は英語で行うことが基本となるようです。

小学校で英語を学んだことが前提となりますから、中学1年生でもかなりレベルの高い英語力が必要となると思われます。必要な単語力は、これまで1,200語だったものから、1,600 ~ 1,800語程度と変更されており、結構な語彙力が必要となります。

国が掲げる目標としては、中学卒業時点で、CEFR(セファール)A1レベル以上(英検3級レベル以上)を達成する学生の割合を5割以上とするようです。自分の子供をこの50%枠に入れておく必要がある、という目安となりそうです。

端的に言えば、中学生で英検3級合格が必要、ということですね。

高等学校英語のポイント

高校の英語の科目を見てみると、

  • 英語コミュニケーションI, II, III
  • 論理・表現I, II, III

となっており、はやりかなり会話やディスカッションなど「英語で発言・表現すること」に軸が移っています。

これまでの英語の環境における日本人の「だんまり」課題を解決しにいっているようです。どのような方法論でこの力を付けさせるのか、大変興味がありますね。

国の目標としては、高校卒業段階で、CEFRでA2レベル相当以上(英検準2級~2級)を達成した中高生の割合を5割以上とする、としています。中学同様、高校段階でも、特に大学進学を目指すのであれば、この5割に入っておく必要がありそうです。

これまでの英語教育を受けてきたものからすれば、英検準2級は結構ハイレベルです。ですが、「しゃべれなくても当たり前」から、今後は「それなりに喋れるのが当たり前」という時代になっていき、全体的にレベルが上がっていく可能性は否定できませんから、それなりに努力が必要となります。

大学受験を見据えた場合、高校卒業時に英検2級合格レベルの英語力が必要と言えそうです。

出典:文部科学省
出典:文部科学省

必要な英語力の身に付け方は?

カリキュラムの変更に伴い、どのように英語を勉強し、マスターしていけば良いのでしょうか?

端的に言えば、これまでは、とにかくペーパーテストの点数が良ければ良かったものが、より実践での英語力が必要になってくる、と言えます。個人的にはかなり良い方向だと思います。

「えー!?そんなこと言われても無理ー」とか「帰国子女が有利じゃん!」と感じてしまうかも知れませんが、国際的に通用する真の英語力を身につける、という王道を走れば良いわけですから、あまり恐るに足りません。どちらかと言えば当たり前なゴールになった、と言えます。

要はある程度ペラペラと会話できれば良いわけです。

しかし限られた時間の中で、そのレベルにまで達すには方法論が必要です。これは試験テクニックとかそういうものではなく、実践で通用する英語力を、より効率的に身につける方法論でなければなりません。

それは正しい英語の勉強法であり、地道に実施していけば、ほぼ確実に先頭を走っていけると考えています。

私が考える正しい英語の勉強法について詳細はこちらの記事で書いていますので、興味があれば見て下さい。

かいつまんで説明すると、基本は、

  • 発音をしっかりマスターする
  • 基本文法をマスターする
  • 文を頭から読んで意味を理解する訓練をする
  • シャドーイングを繰り返す
  • 練習➡試合➡練習➡試合を繰り返す
  • 出てきた単語・熟語は都度全て覚える

というものです。

これをきちっとやっていれば、学校が求めるような実践的な英語力が身に付きます。

日本人が苦手とするヒアリングについては、文部科学省が参考で公開している試験のヒアリング問題を聞いてみましたが、ゆっくり、はっきり、簡易的な言葉だけを使ったとても簡単な会話を聞くだけですので、正しい勉強方法を行っていれば全く問題ありません。

人より差をつけるには

新学習指導要領を見て、若干不安を感じるのは、以下2点。

  • 超重要な発音が、これまで同様ないがしろにされていそうなこと
  • 文法は後回しで良い」的な発想になっていそうなこと

この2点が仮に本当だとすると、そこに人と差をつけて自分が抜き出るチャンスになるかも知れません。

なぜ、発音がないがしろにされるのか、全く理解できないのですが、仕方ありません。正しい発音を自分でするから、結果「聞き取れる」につながりますので、自分でせっせと練習しましょう。もっと聞き取りれるようになるし、話せるようにもなります。また発音が良いだけで、なんとなくしゃべれる人という感じがしますね。笑

また文法についても、これまでの文法ありきの教育方法は止めて、「まず話させてみて、生徒が疑問に思えば解決の方法を考えてみる、先生はそれに助言を与える」というのが基本なようです。そんな悠長なことやってて大丈夫か?と疑問に思ってしまいます。ある程度正確な文法力無くして会話やディスカッションなどできません。

ですので「発音」「文法」に関しては、きちんとやれば、中学・高校の英語で他の人に差をつけるチャンスなのかも知れません

このあたりをきちんとこなしていけば、相当な英語使いに見られる可能性が高まります。

文法に関して誤解して欲しくないのですが、私が考える正しい文法学習の方法は、いきなり動詞の説明からはじまるような、いわゆる、文法のための文法学習でなく、「文を作る」をまず単純化して考えて、必要な文法を肉付けして学んでいく、というものです。

こちらで紹介していますので、読んで見て下さい。

文というものはどうすればできれるのか?という観点からの文法の学習は必須である、という考えです。学校で積極的に教えてくれないのであれば、自分で勉強するしかありません。

しかし、なかなか良い参考書がないので、一般的に出回っている参考書ではどれが一番良いのか、いずれ改めてレビューしていきたいと思います。

まとめ

新学習指導要領は、現代の社会ニーズにあった人材を育てようとするとても良いものだと思います。

但し、英語について言えば、小学校3年生から授業が始まるため、全体的に親が英語を学んでいた頃よりレベルがかなり上がる可能性があります。自分の子供に英語に対する自信を付けさせたい場合は、まずは上位50%を目指して、小学校2年生あたりから英語に触れさせる環境を作り、4年生あたりからは本格的に勉強をさせていくことが大切だと思います。

目標とすれば、中学卒業時に英検3級、高校卒業時には2級の取得を目指して頑張ると良さそうです。私も大学に入ってすぐの時に特に英検用に勉強はしませんでしたが、英検2級には受かったので、高校卒業で英検2級は達成がめちゃくちゃ困難な目標、というわけでもありません。

しかし大切なことは、試験合格を目標としないことです。真に実力がついたから受けたら受かった、というのが正しいのです。

新学習指導要領では、コミュニケーション重視になっているようですが、発音、文法がないがしろにされている可能性があります。逆に言えば、そこは他人に差をつけるチャンスになる可能性があります。社会に出てグローバル人材として活躍するためにも、勉強していて損はない、というより得だらけですので、是非、発音、文法は自分でしっかり身に付けて欲しいと思います。

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