【凡人でもペラペラになる唯一の英語勉強法10】初心者向け:助動詞の真髄(なぜ助動詞を使うのか?)

【概要】

前回は、述語になれる品詞は動詞だけという説明をして、実際、述語を作ってみました。

 

今回は、動詞を助ける「助動詞」についての基本をご説明します。

 

文を作る観点からは必須でなく、オプションとなる「助動詞」をなぜ使うのか、使うとどのように文が変わるのかを見ていきます。

 

こじたむ

今シリーズで英語の基本的な英文法を分かりやすく解説していますので、英語初心者の方、是非ご覧下さい!

 

今日のゴールは、助動詞の

・種類と意味

・動詞に与える影響

・使われる理由

を理解する事です。

 

助動詞の真髄を、できるだけ分かりやすく説明しますので、最後までお付き合いいただけましたら嬉しいです。

 

目次

 

助動詞の位置づけ

まずは、基本英文法の全体像のなかでの助動詞の位置づけを確認しておきます。

 

<図1.助動詞の位置づけ>

こちらは、英文法の勉強アプローチである、「段階別ホリスティックアプローチ」の第一段階で学ぶ基本英文法の全体像を示した図です。

今日は動詞の前に置き、述語パートを形成する一つ、「助動詞」について勉強します。

 

段階別ホリスティックアプローチについては過去記事をご覧下さい。

あわせて読みたい
【凡人でもペラペラになる唯一の英語勉強法4】英文法マスターへの道:段階別ホリスティックアプローチ... 【概要】 英語の文法は範囲が広く例外も頻出するため、ハードルが高い分野です。   但し、勉強する範囲が限定されていて、それ程難しくもないので、勉強方法を間違...
 

 

助動詞の肝

「助動詞」とは、読んで字のごとく、動詞を助けることばです。

 

助動詞は、文を作る際には「オプション」となります。

 

オプションとは、使っても良いし、使わなくても良いという意味です。助動詞がなくても形式上は文ができる、ということです。

 

ではなぜ使うかというと、使う理由があるからです。

端的に言うと、動詞に対して意味に幅を持たせて表現を豊かにするからです。

 

となると、

 

1.助動詞の「種類」と「意味」

2.動詞に与える文法上(形式上)の影響

3.なぜ助動詞を使うのか、といった理由

 

を見れば、助動詞の基本を理解したことになります。

 

ますば「1.助動詞の種類と意味」から見ていきます。

 

助動詞の種類と意味

助動詞は全部で9種類しかありませんが、今日は、下の図の赤枠で囲った5つにフォーカスします。助動詞の基本を学ぶには十分です。

 

<図2.助動詞の種類と意味>

 

上の図から、赤枠部分だけを抜粋したものが、下の図になります。

 

<図3.助動詞の種類と意味(改)>

 

(1)から順に説明します。

 

(1)will

 

「will」は未来を表す助動詞です。

 

動詞に対して、それが未来に起きる動作や状態であるという意味を付加します。

 

「will」には「意思」という意味があります。

 

助動詞として使われる場合も、

 

①~するつもりだ

 

と、元々「~する意思がある」という意味があります。

 

つまり「意思を持って将来すること」を語る時に使われる言葉です。

 

そこから発展して、意思のある・なしに関わらず、

 

②~するだろう

 

単純に未来のことを語る際にも使われるようになりました。

 

①意思のある未来

②単純な未来

 

どちらかなのかは、文脈で判断するしかありません。

 

 

(2)shall

 

「shall」も未来を表す助動詞です。

 

古い小説や聖書で見かける言葉で、文語的であり、堅苦しい感じがするため、口語では、「will」で代用されてしまい、ほぼ使われません

 

「will」が人の意思で「そうする」という未来を表すのに対し、「shall」は「もうそうなることが確定しているんですよ、あなたの意思など関係ないんですよ」といったニュアンスがあります。西洋的に言えば神の意思」によって決定している、といったところでしょうか。

 

堅苦しいという性格と相まって、契約文でよく見かけます。

 

「xxとなった場合は、~することとする」みたいな文章で出てきます。確定している未来、というニュアンスがでていますね。

 

 

(3)can

 

「can」の本来の意味は、~することができる」です。能力があるため「可能であること」を表す助動詞です。

 

①~することができる

 

といった形で、能力を根拠にして、それが「可能」であることを伝えます。

 

ところが、「可能であること」を広めに解釈すれば、

 

②(してもよいという意味での)~することができる例:ここで写真を撮ることができる→写真を撮ってもよい)

 

といった「許可」の意味も出てきます。

 

③そういう状態であってもよい(例:それは本当であることができる→本当である可能性がある)

 

といった「可能性」があるといった意味まででてきます。

 

どの意味で「can」が使われているのかは、文脈で判断するしかありませんが、一般的な傾向としては、

 

・「can」の後にbe動詞が続く場合:「可能性」を表す(~である可能性がある)

・「can」の後に一般動詞が続く場合:「能力」「許可」を表す(~することができる)

 

となります。

 

 

(4)may

 

「may」の本来の意味は、~してもよい」という許可」の意味があります。

 

①~してもよい(例:ここで写真を撮ってもよい)

 

この「許可」の意味を少し広くとらえると、

 

②~であるかもしれない(例:これはりんごであってもよい→これはりんごであるかも知れない)

 

といった「推測」の意味が出てきます。

 

どちらの意味で使われているかは文脈から判断するしかありませんが、「can」と似ていて、一般的な傾向としては、

 

・「may」の後に、be動詞が続く場合:「推測」を表す(~であるかもしれない)

・「may」の後に、一般動詞が続く場合:「許可」を表す(~してもよい)

 

となります。

 

 

(5)must

 

「must」の本来の意味は、「~しなければならない」という「義務」です。

 

①~しなければならない(例:罰金を払わなければならない)

 

「~しなければならない」という「義務」を、少し広くとらえると、

 

②~に違いない(例:やつが犯人でなければならない→やつが犯人に違いない)

 

という強い「確信」という意味合いも出てきます。

 

どちらの意味で使われているのかは文脈から判断するしかありませんが、一般的な傾向としては、「can」「may」と似ていて、

 

・「must」の後に、be動詞が続く場合:「確信」を表す(~に違いない)

・「must」の後に、一般動詞が続く場合:「義務」を表す(~しなければならない)

 

となります。

 

形式上、動詞に与える影響

助動詞の種類と意味は理解いただけたと思います。

 

次に、文法上、つまり形式上、助動詞は動詞に対してどのような影響を及ぼすのか、を見ていきます。

 

これは非常に簡単で、

 

助動詞を使ったら動詞は原形を使う

 

というルールになります。

 

動詞の原形とは、文字通り「もともとの形」という意味で、

 

・be動詞の場合:「be」

・一般動詞の場合:辞書にのっている形
(※ほぼ現在形と同じ、3人称・単数・現在形につける「s」は省く)

 

となります。

 

be動詞は、「am」も「are」も「is」も全て、原形がたった一つ「be」であるため「be動詞」と言われるんですね。

 

例)Be動詞の場合:

It is an apple. (それはりんごです)

It may be an apple. (それはりんごかもしれない

 

例)一般動詞の場合:

He runs. (彼は走る)
※主語が三人称の単数で現在のことを言う文なので動詞に「s」が付いている点に注意。

He can run.(彼は走ることができる
※動詞「
run」の原形は「run」、動詞に付いていた「s」は消えている点に注意。

 

簡単ですね。

 

助動詞の真髄:なぜ助動詞を使うのか?

色々と意味が出てきましたが、助動詞の持つ意味に共通していることは、いずれも、

 

「動作や状態を事実として述べてはいない」

 

という点です。

 

「~するだろう」とか「~かもしれない」「~にちがいない」とか「~できる」等、全て、「~した」とか「(今)~する・している」といった事実ではありません。

 

例えば、助動詞のない文を見てみます。

 

例)

It is an apple.( それはりんごだ)

 

「それはりんごである」という事実として断定する文となります。

 

助動詞がないと、動詞の行為や状態が、今、現実として起きている、または過去に起きた、という事実を述べる文となります。

 

ところが助動詞を使えば、事実とまでは言い切らない文ができます。

 

例1)

It may be an apple. (それはりんごかもしれない

 

例2)

I will run. (私は走るつもりだ

 

このように、事実としての断定を避けるために助動詞が使われるのです。

 

これが助動詞の「動詞に対する助け方」であり、助動詞を使う理由というわけです。

 

 

但し、事実としての断定を避けているとは言え、その避け具合は異なります。

別の言い方をすれば、「話し手の自信の度合い」と「話の手の思いの強さが異なります。

 

これを下の図で整理しています。

 

<図4.自信の度合い・気持ちの強さ 比較(イメージ図)>

 

縦軸に「話し手の自信の度合い」(かなり自信がある~あまり自信がない)をとります。

 

横軸に「話し手の気持ちの入り方」(気持ちの入り方が強くもはや義務的~気持ちは弱く結構任意的)をとります。

 

そこに、各助動詞をプロットしてみました。

 

例えば、「will」や「shall」。

未来のこととは言え、「確定している未来」を表す「shall」や、「意思あり」を表す「will」はかなり事実となる確度が高い、という自信が話し手にある状態です。

少しだけ、「will」のほうが、場合によって意思が入りますので、思いとしては、「shall」よりは強くなります

 

「must」についても、「きっとそうに違いない」と確信している状態ですから、自信はかなり高めです。

 

また「must」は「~しなければならない」と話し手の強い思いが感じられる一方で、「may」は「~してもいいよ」とかなり弱めです。

「can」の「~できるよ」という語感は、「must」の強い語感に比べると弱いが、「may」ほど弱くもないので、なんとなく中間点くらいにいる感じです。

 

例)

1.You must run.(あなたは走らなければならない

2.You can run. (あなたは走ることができる

3.You may run. (あなたは走ってもよい

 

上記のうち、1はかなり強い語感、3は「どちらでもいいよ」という感じで、話し手の思いは弱い感覚、2はその中間くらいのイメージです。

 

あくまでイメージですが、このように、事実・断定を避ける助動詞には、

 

・話し手の自信の度合い

・話し手の気持ちの入り方

 

の点で差がある、ということを感覚的にご理解いただけたら幸いです。

 

まとめ

今日のポイントを最後にまとめてみてます。

 

1.

完全な文を書く上では、動詞は必須の品詞であるが、助動詞の使用はオプションであり、必ずしも使う必要はない。

 

2.

助動詞を使う場合、動詞に一定の意味を加える。

 

3.

一定の意味とは、動詞だけだと意味してしまう「事実としての断定」を避けることである。

 

4.

「will」は「~するつもりだ」「~だろう」という意思のある未来、または単純な未来について語る時に使う。

 

5.

「shall」は「~することになっている」という確定した未来について語る時に使う。但し、現代では通常「will」で代用されてしまい、契約書など堅い文以外には登場しない。

 

6.

「can」は「~できる」という意味から、能力・許可・可能性までを意味する時に使う。

 

7.

「may」は「~しても良い」という許可や、「~かもしれない」という推測を表す時に使う。

 

8.

「must」は「~しなければならない」という義務や、「~に違いない」といった確信を表す時に使う。

 

9.

各助動詞には、事実である可能性の高さ(確度)に対する「話し手の自信の度合い」と「話し手の気持ちの入り方の強さ」に違いがある。

 

10.

助動詞を使ったら、動詞は原形を使う。

 

 

以上、助動詞でした。

 

 

・各助動詞の意味

・使った時の動詞の形の変化

・助動詞を使う理由

 

もうわかりましたよね。

 

今回も最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!

 

よかったらシェアしてね!
  • URL Copied!
目次
閉じる