【概要】
修飾語を含むパートの代表として、前回は「副詞」の説明をしました。
修飾語を含むパートでもう一つ重要になるのが「前置詞」です。
前置詞は後ろに名詞を従えて「句」を作り、副詞と同じような働きをして、動詞を修飾することがあります。
また名詞を修飾して、形容詞のような働きをすることもあります。
このように前置詞が作る「句」は、名詞や動詞を修飾し、文全体に意味を加えて、文を豊かにします。
今日は「前置詞」と「句」について説明します。
<基本英文法のフレームワーク>
前置詞ってなんだ?それは「句」作る語
前置詞は、「前に置く詞(ことば)」と書かれています。
何の前に置く詞かというと「名詞・代名詞」の前に置くのです。
「代名詞」は名詞の仲間ですから、誤解を恐れずいうと、前置詞は必ず名詞とセットで出てくる、と言えます。
前置詞を使えば、後ろに必ず名詞を置かなければなりません。
例えば、「in」という前置詞があります。
意味は「~のなか」という意味です。「~」の部分に名詞が入ります。
- in Japan (日本のなか)
「in」は前置詞ですので、後ろに「Japan(日本)」という名詞がきています。
「Japan」は固有名詞ですので大文字で始まり、また「冠詞」は要りません。
「on」という語も「~の上」という意味を持つ前置詞です。
- on the table (テーブルの上)
「on」の後ろには「the table」という「名詞」がきています。
正確には「冠詞+名詞」が来ています。
「table」は「Japan」と違って普通名詞で、この場合は単数(一つ)ですので、「a」か「the」どちらかの冠詞が必要です。
ここでは「the」という冠詞を使っていますので、会話のなかで既にどのテーブルなのかは特定できており、「そのテーブルの上」と話題を特定のテーブルに限定しているのだ、と分かります。
このように前置詞の後ろには必ず名詞がきて、名詞と一緒になって全体として一定の意味を表すのです。
このようにいくつかの語が集まって一定の意味を形成する語のかたまりを「句」と言います。
前置詞は「句」を作ることばなのです。
前置詞の種類と意味:基本の9つ
英語には多くの前置詞がありますが、英語で最もよく用いられる前置詞は9つあると言われています。
前置詞はとても便利で、一語一語が意味する範囲は一見かなり広く、様々な意味で使われる印象があります。
一方で、その前置詞が表す「語感」のようなものがあり、表す意味には傾向があります。
今日はその「語感」部分の触りだけ説明します。
前置詞 | 基本的な意味 |
at | ~で(ある一点で) |
by | ~のそば、~によって |
for | ~に向かって、~のため(目標) |
from | ~から(起点) |
in | ~のなかに |
of | ~の(分離・起源) |
on | ~の上に、~に接して(接触) |
to | ~へ、~に、~のほうへ(到達点、方向) |
with | ~と一緒に、~とともに(同伴) |
前置詞は日本語でいうと「~の」や「~と」などの助詞にとてもよく似ています。
単語が短くで、便利なのでいろいろな使われ方をしますが、それが根本的に意味する「語感」のようなものがある、という意味でとても似ています。
ですので、前置詞は、出てくるたびにその意味するところを理解していく作業を地道に繰り返し、数多く触れて、「語感」と「使われ方」に慣れていくしかありません。
まとめ
- 前置詞は後ろに必ず名詞を必要とする
- 前置詞と名詞はセットで意味をなして、副詞のように動詞を修飾したり、形容詞のように名詞を修飾する
- よく使われる基本的な前置詞は9つある
- 前置詞は日本語の助詞のようなもので、英文に頻出し、色々な使われ方をする
- 前置詞には根本的にそれが表現したい「語感」があるため、多くの英文に触れて、使われ方とともに習得するしかない
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