【概要】
「主語を含むパート」の説明の時、名詞のほか、代名詞も主語になれる、という説明をしました。
代名詞は名詞の仲間ですから目的語にもなれます。
ところが、代名詞を目的語として使う場合、代名詞によっては形を変える必要があります。
名詞であれば、普通名詞だろうが、固有名詞であろうが、目的語になるからといって、わざわざ形を変える必要はありません。
ですが、代名詞が目的語になる場合、形を変える場合があるのです。
今日は、目的語として代名詞を使う場合、どの代名詞がどういう風に形を変えるのか?について説明します。
<基本英文法のフレームワーク>
代名詞とは:さくっとおさらい
代名詞とは、直接特定の名前を言わずに、代わりにその名詞を指し示すために使われることばです。
例えば、「太郎くん」という代わりに「かれ」と言います。
「かれ」という語が代名詞です。
英語には代名詞が全部で12種類ある、と前回の代名詞の回で言いました。
上で示した代名詞は、代名詞が主語になる時の形を表しています。
これを代名詞の「主格」といって、主語になる時の形なわけです。
代名詞が目的語になる例
名詞を目的語として使う場合、「目的格」という、目的語として使われる形に変換しなければなりません。
例:
- I like Taro. (私は太郎が好きだ)
動詞「like(好き)」は、目的語を一つ取る動詞ですので、必ず目的語をすぐ後ろに一つ置く必要があります。
つまり「like」は、主語+述語+目的語の第3文型の文を作る動詞です。
述語である動詞「like(好き)」の対象となるものが「Taro(太郎)」という名詞で、文中では目的語となっています。
※文型については、こちらで詳しく説明しています。
では、「太郎」という名詞を代名詞にするとどうなるのでしょうか?
日本語で言えば「かれ」、英語では「him」となります。
- I like him. (私は彼が好きだ)
主語として使われる時には「he」という形をしていたのに、目的語で使われる場合には「him」と形を変えるのです。
では次の例はどうでしょうか?
- I will eat an apple. (私はりんごを食べるつもりだ)
動詞「eat(食べる)」も、目的語を一つ必要とする動詞で、
主語+述語+目的語の第3文型を作る動詞です。
動詞「eat(食べる)」の対象となるものが「an apple(一つのりんご)」という目的語です。
では、この「りんご」を代名詞でいうとどうなるのでしょうか?
「それ」とか「これ」とか「あれ」となります。
- I will eat it. (私はそれを食べるつもりだ)
または
- I will eat this. (私はこれを食べるつもりだ)
または
- I will eat that. (私はあれを食べるつもりだ)
となります。
主語になる時と比べてもらうと「it」も「this」も「that」も、形を変えていません。
このように代名詞が目的語になる場合、主語の時とは形が変わるもの、変わらないものがあるのです。
これはもう覚えるしかありません。
代名詞が目的語として使われる時の形(目的格)一覧
では、代名詞の目的格は、主格と比べてどのように形を変えるのか、見てみましょう。
<代名詞の目的格>
主格から形が変わるものを赤文字で記載しています。
よ~く見ると、実は、主格の形から形を変えるのは、12種類中、5つしかありません。
皆、人を指し示す代名詞です。人を指し示す代名詞でもなぜか2人称の「you」だけは形を変えません。
3人称の複数は「they」しかありませんので、「人」なのか「もの」なのかわかりません。
そういう意味で「人を指し示しているかも知れませんので形を変える」と考ても良いでしょう。
例:
※赤文字:主語の時と形が変わるもの、青文字:形を変えないもの
- You like me. (君は僕が好きだ)
- You like us. (君は僕たちが好きだ)
- I like you. (僕は君が好きだ、僕は君たちが好きだ)
⇒「you」は単数も複数も同じ形ですので、この情報だけでは、「君」なのか「君たち」なのか分かりません。 - I like him. (僕は彼が好きだ)
- I like her. (僕は彼女が好きだ)
- I like it. (僕はそれが好きだ)
- I like them. (僕は彼らが好きだ、僕は彼女らが好きだ、僕はそれらが好きだ)
⇒3人称の複数は「them」しかないので、この情報だけだでは、「彼ら」なのか「彼女ら」なのか「それら」なのかは分かりません。 - I like this. (僕はこれが好きだ)
- I like these. (僕はこれらが好きだ)
- I like that. (僕はあれが好きだ)
- I like those. (僕はあれらが好きだ)
まとめ
- 代名詞を目的語として使う場合、主語として使う場合から形を変える必要がある代名詞がある。
- 「you 」以外の、人を指し示す代名詞は形を変える必要がある。
- ものを指す代名詞は形を変える必要はない。
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