英語をマスターするにあたり、文法は一つの難関です。
何度参考書を読んでも一向に頭に入ってこない、何か良い勉強方法はないものか、を思い悩む、そんな経験はありませんか。
私もかつてはそうでした。
高校生向けの文法書を何度も読んでは、かたっぱしから忘れていきました。(笑)
本来それ程難しくない英語の文法をやたらと難しく感じさせている原因に、参考書を含めた現在の文法学習の進め方に問題があるように思えます。
かなり分量があるように見えますし、それよりも読者から見て章立てがロジカル(論理的)でないし、項目の粒度もバラバラです。学習者目線に立っていないように思います。
例えば、通常、最初は「動詞」から説明が始まります。一通り動詞に関係する項目を説明した後に、「比較」やら「仮定法」が無造作に出てきます。ですから、一通り英語の文法を勉強した後に、パズルのピースを完成させていくように、文の組み立てを頭のなかで再構築しないとならないのです。
この点が非常に非効率的なのです。
英語がある程度喋れるようになった今から振り返ると、「もっとこうして勉強すれば良かった」と後悔しています。
今日は、昔の私のような人のために、どのように勉強したら英語の文法をできるだけ効率的・効果的に勉強することができるか、を説明したいと思います。
結論:英語文法は「文の構造」とひもつけて覚える
「文法」とは言葉の通り「文を作る時のルール」です。
ですから「どのようにして英文を作るのか?」という「問い」に対して、文法を当てていく、というやり方が一番効果的だと考えます。
「文の構造」とは、主語(主部)、述語(述部)といった文の要素がどのように組み立てられて英文は作られているのか?ということです。
別の言い方をすれば、「英文の基本形はこれです」と最初に示して、そこから肉付けしていく、というやり方です。
最も重要な英文の基本形:主語+述語
どんな言語でもそうだと思うのですが、英文の最も重要な要素は「主語」と「述語」です。「何がどうだ」とか「何がなんだ」ということです。
英語を作文する時も、複雑な文を読む場合でも、まず「主語」と「述語」を特定することから始めます。
ですから、まずは、主語を作るにはどうするか、述語を作るにはどうするか?を、イの一番におさえるべきです。
英文の基本形:5文型+修飾語
主語と述語を含む英文の基本形に「5文型」というものがあります。
5文型とは、
- 第1文型:主語+述語
- 第2文型:主語+述語+補語
- 第3文型:主語+述語+目的語
- 第4文型:主語+述語+目的語1+目的語2
- 第5文型:主語+述語+目的語+補語
です。
最も重要な「主語+述語」は、5文型の中の全てに登場しますので、その重要性が分かると思います。
この5文型を基本の型として、後は修飾語を付けてより情報量を多くして相手に伝わりやすい文へと肉付けしていくのです。
修飾語は、文のなかで、色々な場所へ登場しますので、パターンとしては以下のようになります。
- 第1文型:(修飾語)+主語+(修飾語)+述語+(修飾語)
- 第2文型:(修飾語)+主語+(修飾語)+述語+(修飾語)+補語+(修飾語)
- 第3文型:(修飾語)+主語+(修飾語)+述語+(修飾語)+目的語+(修飾語)
- 第4文型:(修飾語)+主語+(修飾語)+述語+(修飾語)+目的語1+(修飾語)+目的語2+(修飾語)
- 第5文型:(修飾語)+主語+(修飾語)+述語+(修飾語)+目的語+(修飾語)+補語+(修飾語)
若干ややこしく見えてしまいますので、一旦、修飾語は文の色々なところに付けることができる、ということだけ理解して、話を最初のシンプルな5文型に戻します。
- 第1文型:主語+述語
- 第2文型:主語+述語+補語
- 第3文型:主語+述語+目的語
- 第4文型:主語+述語+目的語1+目的語2
- 第5文型:主語+述語+目的語+補語
文の要素と品詞を紐付ける
文法で勉強する大切なことは、文型で登場する主語や述語といった文の要素を作るには、どの品詞を当てる必要があるのか?を学ぶことです。
例えば、主語になれるのは名詞とその仲間だけ、述語になれるのは動詞だけ、といった具合です。
上記の5文型を品詞で単純に説明すると以下のようになります。
- 第1文型:名詞+動詞
- 第2文型:名詞+動詞+名詞・形容詞
- 第3文型:名詞+動詞+名詞
- 第4文型:名詞+動詞+名詞+名詞
- 第5文型:名詞+動詞+名詞+名詞・形容詞
全て品詞を当てはめることができます。
ということは、まずは各品詞の使い方を勉強すれば良い、ということになります。
各品詞を修飾する語
例えば、名詞を修飾する品詞は形容詞、動詞と形容詞を修飾する品詞は副詞、と、各品詞を修飾できる品詞も決まっていますので、その関係を勉強すれば、修飾語の基本はマスターできます。
修飾語の発展形:句・節
5文型に修飾語をどんどん付け加えていくことで文をより情報量の多い、長い文を作ることができます。
修飾語は「一つの単語」である場合もありますが、単語が集まって、全体として他の品詞を修飾するものがあります。「句」と「節」です。
- 「句」とは、1語以上の単語が集まってまとまった意味を持つが、主語と述語を含まないため、文としては成立していないもの。
- 「節」とは、1語以上の単語が集まってまとまった意味を持ち、かつそのなかに主語と述語を含むもの。
接続詞を使って更に文を長くする
文を更に長くして情報量を多くしたい場合に接続詞を使います。
単語と単語、句と句、節と節、文と文をつなげる役目を果たします。
このように、5文型を基礎としながら、文を発展させていくにはどうするか?という目線で文法は学習するべきです。
具体的にはどうするか?
実際には、残念ながら、上記説明したように編纂されている参考書がありませんので、具体的に取りうる勉強方法は2つあると思います。
参考書を最初から読み進めていくことはあまりお勧めできません。
- 参考書を前から読み進めていくが、常に5文型の中のどの部分を今学んでいるのか、を意識しながら読み進めること
- 5文型に出てくる品詞の順番通りに読むこと(最初は名詞、冠詞、代名詞、次に動詞、助動詞など)
2の場合、勉強する項目に「もれ」が生じるのが怖いので、どちらかというと1で進めていくのが良いと思います。
いずれにしても、文を作る、という目線を常に持って、今どこを勉強しているのか?ということは常に意識して、埋もれないようにすることがとても大切です。
必ず2周、3周し、一冊を完璧にすること
また大切になことは、文法は細かいルールをたくさん覚える必要がありますので、必ず、問題を解きながら3回くらいは文法書を読み返すことです。少なくとも、どこにどんなことが書かれてあったか、なんとなくでも覚えるくらいは読み込む必要があります。
文法書は、これと決めたらその文法書にスティックして、他へ浮気しないことも大切です。他で書かれてあって、自分の参考書に書かれていない場合は、そこへ書き込むなどして、とにかく1冊を充実させていくことが大切です。
後は、基本的な問題を数多くこなして、わからないことは、文法書に戻って確認して、ルールを覚えていくようにしましょう。
文章読解の練習でも常に確認
基本的な範囲がある程度身に付いたら文章読解の練習を始めていくのですが、文章読解の練習の際も、わからないものがでてきんたら、必ず、単語・熟語を調べると同時に、文法書を確認して、文法書に書かれている内容である場合には、印をつけて、時折見返すなどして、決めた1冊に書かれていることは全て理解できている状態を目指しましょう。
まとめ
以上、英語の文法の勉強方法について説明しました。
ポイントは、
- 常に5文型の中のどの部分を勉強しているのか、を意識すること
- 問題を解きながら文法書を読み進めることを3回は繰り返して1冊を完璧にすること
- 他で出てきたが自分の文法書に記載がない場合には、そこへ書き込み、1冊を充実させること
- 文章読解の練習においても不明点は文法書を確認して、記述があれば、そこへマークしておき時折見返すこと
凡人でもペラペラになる唯一の英語勉強法:目次
「凡人でもペラペラになる唯一の英語勉強法」では、上で示した5文型と紐付けた方法で英語の文法を説明しています。
若干通常とは異なる説明ですが、文法書と並行して進めれば、きっと理解が進み、記憶にも残りやすくなると思います。
是非、目次にいって、好きなところから読んで見て下さい。