【概要】
時制は、全部で12種類あります。
厄介者ですが、だらだら、飛び飛びに勉強するより、全てまとめて一気に理解してしまうほうが確実に効果的・効率的です。
前回は、12の時制が表す「時間軸」について説明しました。(いつのことを話しているのか?ということ)
今回は、12の時制の型を一気にまとめて見ていきます。
<図1.前回の振り返り(時制:12種類)>
時制は、理屈が明確にありますから、ぶつ切りにして勉強するのではなく、一気に見ていったほうが理解が進みますので、確実に効果的です。
今日のゴールは、12の時制の「型」をすべて理解することです!
基本英文法:「時制」の位置づけ
「時制」は、述語パートを作る時に、考えなければならない「時」の概念です。
今日は、時を見るときの2つの側面である「完了形」と「進行形」から入ります。
<図2.基本英文法の全体像>
「完了形」と「進行形」
英語では、単純に過去、現在、未来の一地点の状態や動作をいうだけでなく、との時に
動詞が示す状態や動作が、
①既にそういう状態だった、既に行われていたこと(完了形)
②そういう状態が継続している、進行中であること(進行形)
という2つの側面を組み込むことができます。
もっと言うと、
③ずっと継続して行われてきていて、その時も進行中であること(完了進行形)
ということまで表すことができます。
これらの関係を図にすると以下のようになります。
<図3.時制のなかの「完了形」と「進行形」>
①を完了形といい、
・過去における完了形であれば、過去完了
・現在における完了形であれば、現在完了
・未来における完了形であれば、未来完了
となります。
②を進行形といい、
・過去における進行形であれば、過去進行形
・現在における進行形であれば、現在進行形
・未来における進行形であれば、未来進行形
となります。
③を完了進行形といい、
・過去における完了進行形であれば、過去完了進行形
・現在における完了進行形であれば、現在完了進行形
・未来における完了進行形であれば、未来完了進行形
となります。
「have」の活用
「完了形」では、動詞「have(持つ・所有する)」が活躍しますから、初めに「have」の活用を見てみます。
<図4.「have」の活用>
主語が3人称の単数の場合、「have」の現在形は「has」になります。
過去形は「had」、現在分詞は「having」、過去分詞は「had」になります。
「完了形」の型:have + 動詞の過去分詞
完了形の基本的な形は、「have +動詞の過去分詞」となります。
この「have」は、一般動詞で「持つ」という意味ですが、後ろに「動詞の過去分詞」を置くことで、セットで「既に~してしまった」「既に~な状態だった」という完了の意味を表現することができる、非常に特殊な動詞です。
直訳すると、「~してしまった、という状態を持っている」となり、「~してしまった」という完了の意味がでてくるのです。
例)
You have gone. (あなたは行ってしまった)
※現時点において、既に行ってしまっていて、ここにはいない。「行く」という動作が完了していることを意味する
ちなみに、過去分詞と言えば、以前やりましたが、「be動詞+過去分詞」で、「~される」という受動態(受け身)の意味となりますが、これとは別物です。
例)
I was praised. (私は褒められた)
動詞の過去分詞には、元々、「~される」という受け身の意味がありますが、「have」とセットになると、完了の意味となります。
では、過去、現在、未来、それぞれの完了形はどう表現するかを見てみます。
過去完了形
まず、過去完了形を見てみます。
過去完了は、動詞「have」の過去形「had」を使うことで、時制は過去であることを示しつつ、「動詞の過去分詞」を続けることで「過去に起こった完了形」であることを表します。
例)
You had gone. ((過去のある一地点から見て)あなたは既に行ってしまっていた)
現在完了
次に現在完了の型を見てみます。
現在完了は、動詞「have」の現在形「have」を使うことで、現在であることを示しつつ、その後に「動詞の過去分詞」を続けることで「完了形」であることを示し、表現します。
例)
You have gone. ((今現在から見て)あなたは既に行ってしまった)
但し、主語が3人称の単数である場合、「have」の部分が「has」となりますので、注意しましょう。
未来完了
次に未来完了の型を見てみます。
未来完了形は、動詞に未来形がないため、未来を表す助動詞「will」を使い、未来であることを示しつつ、その後に「haveの原形+動詞の過去分詞」を続けることで完了形であることを示し、表現します。
例)
You will have gone. ((未来から見たとき)あなたは既に行ってしまっているだろう)
完了形の型:まとめ
以下、過去完了、現在完了、未来完了の型をまとめてみます。
型自体は、それ程難しくはないですね。
「進行形」の型:be動詞+動詞の進行形
次に、進行形ですが、基本形は、「be動詞+動詞の現在分詞」となります。
動詞の現在分詞は、活用の変化に規則性があり、動詞の原形に「ing」をつければ現在分詞になる、というのは以前見ましたね。
動詞の活用については、過去記事をご覧下さい。
それでは、過去、現在、未来の各進行形の型を見てみます。
過去進行形
過去進行形を見てみます。
過去進行形は、「be動詞の過去形」を使うことで過去であることを示しつつ、「動詞の現在分詞」をその後に続けることで進行形であることを示し、表現します。
例)
You were going. ((過去の時点で)あなたは行くところだった)
※行くという行為が進行していた。
現在進行形
次に、現在進行形を見ます。
現在進行形は、「be動詞の現在形」を使うことで現在であることを示しつつ、「動詞の現在分詞」をその後に続けることで進行形であることを示し、表現します。
例)
You are going. ((現時点で)あなたは行くところだ)
※行くという行為が進行している。
未来進行形
次に、未来進行形を見ています。
未来進行形は、be動詞に未来形がないため、未来を表す助動詞「will」を使い、未来の事であることを示しつつ、その後に「be動詞の原形+動詞の現在分詞」を続けることで進行形であることを示し、表現します。
例)
You will be going. (あなたは、(将来のある一地点から見て)、行こうとしているだろう)
※将来に、行くという行為を進行している。
進行形の型:まとめ
以下、過去完了、現在完了、未来完了の型をまとめてみます。
進行形も型自体は、それ程難しくないですね。
「完了進行形」の型:have been+動詞の現在分詞
次に、完了進行形を見てみます。
完了でありながら、進行中であることを同時に示すので、基本形は、「have+be動詞の過去分詞( been)+動詞の現在分詞」となります。
「have been」の部分で、完了形である事を示しており、「been+動詞の現在分詞」の部分で、進行形であることを示しています。
それでは、過去、現在、未来における完了進行形の型を見てみます。
過去完了進行形
まずは、過去完了進行形です。
過去完了進行形は、動詞「have」の過去形「had」を使い、過去ということを示しつつ、その後に「 been」を続けることで完了形であることを示し、更に、その後に「動詞の現在分詞」を続けることで進行形であることを示し、表現します。
例)
You had been going. ((ずっと継続して)あなたは行っていた)
※その時も進行中。
現在完了進行形
次に現在完了進行形です。
現在完了進行形は、動詞「have」の現在形「have」を使い、現在であることを示しつつ、その後に「 been」を続けることで完了形であることを示し、更に、その後に「動詞の現在分詞」を続けることで進行形であることを示し、表現します。
例)
You have been going. (あなたは、(過去からずっと)、行っているところだ)
※ずっと継続して通っている。
未来完了進行形
最後に、未来完了進行形です。
未来完了進行形は、動詞に未来形がないため、未来を表す助動詞「will」を使い、未来の事であることを示しつつ、完了進行形である「have been+動詞の過去分詞」を続けることで表現します。
例)
You will have been going. (あなたは、(将来のある一地点では、ずっと)行っていることになるだろう)
※ずっと継続して通っていることになる。
完了進行形の型:まとめ
以下、過去完了進行形、現在完了進行形、未来完了進行形の型をまとめてみます。
こちらも法則がしっかりあるので、それ程難しくはないですね。
完了形、進行形、完了進行形:まとめ
それでは、もう一度、全部の型を見てみましょう。
次に、上記の表の一つ一つを、今日、最初に見た時制の表にプロットしてみます。
今日、ほとんどを網羅できましたことが分かります。
今日説明していない3つ、過去、現在、未来は、とても簡単です。
過去は動詞の過去形を使い、現在は動詞の現在形を使い、未来はwill+動詞の原形を使うことで表現できます。
詳しくは、過去記事「動詞の活用」をご覧下さい。
時制:総まとめ
最後に、12の時制の総まとめをします。
<図4.時制:12の型>
ごちゃごちゃっと見えますが、この表を見ながら今日の復習をすれば、だいぶ理解が進むと思います!
是非もう一度、読みかえてみて下さい。
かなり理解が進むと思います。
この型の理屈を一旦理解すれば、後は慣れるだけです。
そこで、次回は慣れるための「ドリル」を紹介しようと思います!
乞うご期待!
最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!!