【概要】
今日は「基本英文法のフレームワーク(ver.2)」における「主語を含むパート」第1回目の解説となります。
第1回目は、深入りせず、基本中の基本ですが、とても重要なことに的を絞って説明しますので、英文法初心者向けと言えます。
<基本英文法のフレームワーク>
※「基本英文法のフレームワーク」とは何か?を知りたい方はこちらをどうぞ!
「主語」と「述語」は必ず対になって現れる
初めに「主語とは何か?」を説明します。
「主語」を説明する時には対となる「述語」の説明も必要となります。
主語と述語は必ず対になって文に現れるからです。
主語一つに対して、必ず述語が一つ登場する、ということです。
これは、主語と述語の定義を見ても分かります。
<主語・述語の定義>
主語とは:述語の主体を表すことば
述語とは:主語を受けて、その動作・状態などを述べることば
主語を定義しようと思ったら述語を知らねばならず、述語を知ろうとすれば主語を知らねばならない、という関係で、永久にグルグルと両者を行き来する感覚です。
しかし、これこそが、主語と述語が対になり、相互に頼っている関係であることを表しています。
簡単にいえば、「何はどうする」「何がどうだ」といった時の、「何は」「何が」が主語、「どうする」「どうだ」が述語となります。
文を作ろうと思ったら、必ず「主語」と「述語」が必要で、主語を受ける述語は、主語の影響を受けるのです。
主語になれるのは「名詞」だけ:名詞の基本ルールを知ろう
英語では主語になれるのは「名詞」だけです。
厳密に言うと「名詞の仲間だけ」ですが、ここでは一旦単純化するために「名詞」だけとしておきます。
ということは、主語を作りたかったら「名詞」についてのルールを知る必要がある、ということです。
名詞とは、①人 ②場所 ③もの ④事柄などの名称を表すことばです。
①Taro(太郎) ②Tokyo(東京) ③book(本) ④love(愛)などが名詞です。
1.「数えられる名詞」と「数えられない名詞」
名詞に関して、まず覚えなければならない重要なルールは、以下3つです。
1.「数えられる名詞(加算名詞)」と「数えられない名詞(不加算名詞)」がある。
2.「数えられる名詞」は、単数(一つ)、複数(二つ以上)で形を変える。
3.「数えられない名詞」は常に単数扱い。
話をしている名詞が一つなのか、二つ以上なのかで名詞の形が変わるなんて、日本語にはない考えですね。
上の3つの重要なルールを整理して、表にしてまとめたものが以下となります。
<名詞の種類>
では、どんな名詞が数えられて、どんな名詞が数えられないのか、見てみましょう。
その名詞、簡単に数えられるの?簡単には数えられないの?
「数えられる」とは、一つ、二つ・・・という具合に簡単に数を数えることができる、ということです。こういった名詞を「加算名詞」と言います。
「数えられない」とは、一つ、二つ・・・という具合に簡単には数を数えることができない、ということです。こういった名詞を「不加算名詞」と言います。
ではそれぞれには、どういった名詞があるのか見てみます。
数えられる名詞1/2:普通名詞
数えられる名詞の代表は「普通名詞」と言われる名詞です。
特徴は、
- 一定の形がある
- 目に見える
ことです。
例えば、person(人)。人ですから、形があって目に見えますね。
そして、簡単に1人、2人・・・と数えられます。
他には、cat(猫)だとか、cup(コップ)だとか、pencil(鉛筆)だとかは、形があって目に見えるもので、簡単に一つ二つと数えれれますので、「数えられる名詞」となります。
この「簡単に」というところがミソです。
理由は後ほど説明します。
数えられる名詞2/2:集合名詞
もう一つ、数えられる名詞として「集合名詞」があります。
数えられる「普通名詞」が集まってひとかたまりになった時に、他の名前が付く場合があります。
例えばclass(クラス)という単語。
person(人)という数えれるものが集まって、一まとまりとしてclass(クラス)という別の名前があてがわれています。こういうものを集合名詞といいます。
他には、family(家族)という単語も、数えられるperson(人)が集まってできる団体に対してあてがわれている呼び名ですから、数えられる集合名詞となります。
人が集まってできるかたまりとしては他にも、team(チーム)、group(グループ)、organization(組織)といったものもあり、すべて数えられる名詞となります。
数えられる名詞である普通名詞が集まってできる団体や集合体に、別の名前があてがわれる場合、その名詞も数えられる、とみなされます。
数えられない名詞1/3:物質名詞
数えられない名詞の代表は「物質名詞」です。
「物質名詞」とは、一定の形がなく、簡単には一つ二つと数えられないものです。
例えば、water(水)があります。
水は、厳密に言えばH2Oという分子(melecule:可算名詞)でできていますから、一つ、二つ・・・と数えられると理屈をこねられそうですが、ぱっと見たところでは、一定の形がなく、数えることはできません。
従って、水のような液体は「数えられない名詞」として扱われます。
他には、sugar(砂糖)、salt(塩)などがあります。
砂糖、塩、両者とも、よ~く見れば、細かい粒が見えますから数えられそうなものですが、簡単には、一粒、二粒・・・とは数えられないので、数えらない名詞、不可算名詞として扱われます。
ココがポイント
300年前の一般大衆の気持ちで!
可算名詞や不可算名詞の仕分けは、理系的発想からすると定義が曖昧で、最後は「覚えろ!」と根性論となってしまうことは否めませんが、腹落ちするための一つの考えとして、「300年前の一般大衆目線」で考えてみるのが良いと思います。
近代英語の基礎は、1650年~1700年頃から形成されてきたそうです。
つまり300年程前からです。そういう時代の大衆の目線で考えたとき、水はH2Oという分子でできているだろう!とか、砂糖はよくよく見れば小さな粒だろう!とは言わないだろう、と想像することができます。
言語ですから、数学的なロジックで積みあがっていない部分や、定義が曖昧な部分がありますが、300年程前の生活者の気持ちになると、「まあ、そうかな」と理解が進みそうですね。
数えられない名詞2/3:抽象名詞
もう一つ数えられない名詞として「抽象名詞」というものもあります。
特徴としては、「抽象的」というくらいですから、目に見えず、物理的に手で触れることができません。
例えば、love(愛)という名詞は、抽象的な概念につけられた名称で、目に見えませんし、手に触れることもできませんので、数えられません。
「いやいや、愛とは形にすべきだから、見えべきだし手に触れられるべきものだろう!」などと哲学的に考えてはいけません。
300年前の一般大衆目線で普通に考えれば、見えないし手に触れることができませんので、簡単には数える事ができません。ですから数えられない名詞として扱います。
抽象名詞として他には、beauty(美)、peace(平和)などがあります。
数えられない名詞3/3:固有名詞
数えられない名詞の最後は「固有名詞」です。
固有名詞とは、そもそも世界に一つしなないものの名前です。
Taro(太郎)やJapan(日本)などがあります。
太郎さん、という名前はたくさんの人につけられていますから世界に一人ではないだろう、ということでなくて、ある特定の人を指す時のことを言っています。
Japan(日本)も、Japanというロックバンドもある、ということをいっているのではなくて、日本国という国は世界に一つしかありませんので、固有名詞です。
世界に一つしかないものが前提ですので、逆に言うと、2つ以上あってはいけないのです。
従って、数えられない、というよりは、数えてはいけない、というほうが正しいかも知れません。
固有名詞を文字で表現する場合には、固有名詞であることがわかるように、最初の文字を大文字で書きます。
2.「単数」と「複数」での形の違い
<数えれる名詞の単数形と複数形>
次に、数えられる名詞が単数なのか、二つ以上の複数なのか、をどう表現するか、です。
単数の場合は、辞書でその単語を調べた時に載っている形です。
問題は複数をどう表すかになります。
英語の場合、二つ以上、複数あることを表現にする時には、名詞の最後に「s」か「es」を付けるのが基本になります。
「s」「es」をつけて、「私は今、二つ以上のことをお話をしているんですよ」と示唆するわけです。
発音は、「s」の場合は「ズ」、「es」の場合は「イーズ」とするのが基本です。
例にあげた「person(人)」であれば、「persons」という形となり、発音は「パースンズ」となります。
Class(クラス)の場合は、classesと「es」を付けます。
発音は「クラシーズ」となり、「es」の部分は「イーズ」と発音します。
では、どういう時に「s」だけを付けて、どういう時に「es」を付けるのでしょうか?
「s」か「es」かは、発音のし易さ、し難さで決まってきた?
英語は言語ですから、話したり、聞いたりする会話が先行し、文字での表現は後付けとなるのが基本です。
「s」だけなのか「es」なのかは、発音のし易さ、し難さで決まる、と思って良いと考えています。
例えば、「persons」の発音「パースンズ」は特に発音がし難い、という感じはありません。
ところが、「class」に関しては、「classs」としてしまうと、「クラースズッ」となり、とても発音しにくくなります。
聞いてるほうも「え?今の単数なの?複数なの?」と聞き取りづらくて、よくわかりません。
そこで、意味の無い便利な母音「e(イー)」を付けて「イーズ」として発音することで、発音しやすくして、かつ聞き取り易くしているわけです。
ですから、「class」のように、名詞の最後の発音が「s(ス)」や「シュッ」といった発音で終わる場合、英語を話す人にとっては発音がしにくかったのでしょう、複数の形を「classes」とし、発音は「クラシーズ」とすることで、発音のし難さや聞き取りづらさを回避したのだ、と思われます。
逆に言うと、英語の名詞の単数、複数は、そこまでして明確にしなくてはならない、重要な要素だ、とも言えます。
他に色々な例外や細かい決まり事がありますが、基本英文法の全体像を早く掴むための第1段階では、名詞の複数形は、名詞の最後に「s 」か「es」を付けて表現し、発音は「ズ」「イーズ」となる事が基本、とだけ覚えておけば良いです。
数えられない名詞は、常に「単数扱い」
数えられない名詞には、複数という概念がありませんので、常に単数扱いです。
water, love,Taroは、全て単数扱いです。
名詞には「冠詞」が必要な場合がある
さてもう一つ、名詞に関して重要なルールがあります。
それは「冠詞」の存在です。
名詞の前に「冠詞」を付ける必要がある場合がある、ということです。
冠詞は
a, an, the
の3つしかありませんが、日本語にはない概念ですし、名詞の前に付ける必要がある場合とない場合があるので、日本人にとっては非常に難しいものです。ですので、じっくりと勉強しましょう。
<冠詞の4通り>
名詞に関して、単数、複数といった「数の概念」に加え、同時に「特定」「不特定」といった概念も表現しなければなりません。
その名詞が、会話の中で既に「特定されたものか」「特定されていなものか」ということです。
この「特定」「不特定」を表すのに、「冠詞」を使います。
上の図にあるように、冠詞に関しては「冠詞を付けない」を含めて、全部で4通りの出現パターンが考えられます。
冠詞「a(ア)」「an(アン)」が付く場合
冠詞「a」「an」は、話している名詞が
- 不特定 かつ
- 数えられる名詞で単数
であることを表現したいときに使います。
つまり、「不特定の一つ」という意味になります。
「a」「an」の違いは、
- 名詞の始まりの発音が、子音のときには「a」を付ける
- 名詞の始まりの発音が、母音(a, i, u, e, o)のときには「an」を付ける
となります。
「a」の代わりに、「an」とするのは、名詞の始まりが母音である場合、冠詞「a」だと発音がし難く、聞く方にも分かりづらいため、それを克服するために「n」という音をはさんだ、そう発展してきたのだと勝手に考えています。
厳密には違うかも知れませんが、そう理解しておけばより簡単に覚えられそうです。
「n」を発音することで、単数であることを明確にでき、聞くほうにとっても聞きとりやすくなるから、あえて「n」を入れ発音したのだ、と。
(例1)
例えば、person(人)について話そうとしているとします。
その「人」が、不特定の、ある一人の人であることを表現したい場合には、
a person
と表現します。
聞いている人は、これだけで、「あ~、誰かは特定されていないけれど、ある一人の人ってことね」と分かります。
(例2)
例えば、フルーツの「apple(りんご)」について話そうとして、それが、不特定のある一つのりんごであることを表現したい場合には、
an apple
と表現します。
聞いている人は、これだけで、「あ~、どれかは特定されていないけれど、ある一つのりんごってことね」と分かります。
なぜ「a」でなく「an」なのか?
仮に、「a apple」としてしまうと、冠詞の「a」と「apple」の最初の「a」の母音が重なってしまい、明確に単数であることを表現しづらく、聞いているほうも一瞬「ん?今、a入れた?入れなかった?」と迷ってしまうので、「n」の音を間に挟むことで、単数であることを分かりやすくしているのだと考えるのが良いでしょう。
(例3)
次に、「university(大学:ユニバーシティ)」について話そうとしているとします。
それが、「不特定のある一つの大学」であることを表現する場合、
a university
と「an」ではなく、「a」を付けます。
始まりが「u」であるにも関わらず、子音始まりとして扱うのは、「university」の最初の発音が「ユ」であり、母音ではないからです。
綴りにだまされないようにしましょう。
英語は言語です。先に話したように「しゃべり言葉が先にあって、文字化は後追い」といういい例です。
冠詞「the」が付く場合(発音:「ザッ」または「ジッ」)
(発音注意)
「the」の発音は、
「舌の先を上の歯と下の歯で挟んで『ザッ』と発声」
します。
名詞の最初の発音が母音から始まるときは、「舌の先を上の歯と下の歯で挟んで『ジッ』と発声」
します。
普段からきちんと発音を意識して、慣れるようにしましょう。
「the」は、その名詞が「会話の中で、どれについて話しているのか特定された」ことを意味します。
the person
であれば、会話の流れから、もう誰のことを話しているのか特定できていることを表します。
ところが、「the」は、数字の概念までは表現しません。
なので、一つについて話しているのか、二つ以上について話しているのか、これだけでは分かりません。
なぜかというと、
すでに、会話の中から、その名詞が特定されているわけですから、一つなのか二つ以上かについても明らかなになっているはずですので、数字の概念ははやも要らない、ということです。
つまり、面白いのですが、冠詞「a」「an」は、名詞が「不特定」かつ「単数」である時に、その名詞の前につけましたが、(例:a person)
冠詞「the」は、名詞が「特定」されれば、「単数」の場合でも「複数」の場合でも、両方に付けて良いことになっています。(例:the person / the persons)
・a, an :数えられる名詞で、単数の場合で、不特定の場合(複数の場合は付けない)
・the :数えられる名詞、数えられない名詞、両方に使用可能で、特定されいる場合(単数・複数両方に付けられる)
ということです。
冠詞がつかない場合
最後に、冠詞が付かない場合。
・数えられない名詞 かつ
・不特定
の場合には、冠詞が付きません。
love:不特定の「愛」について話す場合
the love:会話のなかで特定された「愛」について話す場合
という違いが生まれます。
そもそも数えられない名詞なのですから、数えられる前提の「a, an」は付かないのです。
しかし、特定・不特定だけを表す「the」には、単数・複数といった数の概念がありませんので、特定さえされていれば、数えられない名詞にも付けられる、というわけです。
固有名詞の場合
先ほどいったように、固有名詞は数えられない名詞です。
そもそも世界に一つしかない前提ですから、数えられてはいけないのです。
ですから冠詞「a, an」は付かないということです。
しかし、「the」はどうでしょうか?
「the」には数の概念がありませんから、「the」を付けても良さそうなのですが、そもそも固有名詞ですから特定されている前提ですので、実は普通「the」は付けません。
Taro(太郎)という特定の個人をいう場合、「the Taro」とは言いません。
仮に、「the Taro」というと、「たくさんいる太郎のなかで、彼こそが(本物の)太郎!」みないな、ちょっと違ったニュアンスになるためです。
勿論、言葉ですから、例外は出てきますが、普通は固有名詞には「the」は付かない、と考えておいて良いと思います。
基本英文法のフレームワークをアップデート!
さて、ここで「冠詞」という品詞が出てきました。
名詞の前には冠詞を付けねばならないことがある、ことが分かりました。
ですので、基本英文法のフレームワークで、「名詞」の前に「冠詞」を置いてアップデートしたものが以下となります。
<基本英文法のフレームワーク:アップデート版>
主語に限らず、名詞と冠詞は一体で考えなければなりませんので、全ての名詞の前に「冠詞」を置きました。
緑色の部分です。
( )書きとしている理由は、名詞の種類によっては冠詞が不要の場合もあるからです。(数えられない名詞で不特定の場合)
どうやって「主語」であることを表現するか?
以上で、冠詞+名詞という一つのまとまりのある形をつくることができるようになりました。
そこで、最後に「この名詞は主語ですよ!」と、主語であることを知らせるにはどうするか?が問題になりますが、英語には、日本語のように「は」「が」といった助詞がありません。
そこで、語順がとても重要になります。
品詞の現れる順番で、どれが主語でどれが述語か?が決まってきます。
通常の文(肯定文)の場合、「(冠詞)+名詞」を最初に置いて、次に述語である動詞を置くことによって、最初の名詞が主語である、ということを知らせます。
ですから、最初に
The person…(その人・・・)
とか
An apple…(ある一つのりんご・・・)
あるいは
Love… (愛・・・)
と、文の最初に、(冠詞+)名詞を置けば、おそらくそれが主語かな、と予想が付くことになります。
そして、名詞の後に「述語である動詞」がくれば、「あー、やっぱり最初の名詞は主語だったんだ」と相手に分かるわけです。
(冠詞)+名詞のおさらい
なんだか、色々とごちゃごちゃルールがでてきましたので、ここで一旦全体を整理します。
<名詞の単数・複数、特定・不特定の表現>
ルールまとめ
<名詞の種類>
1.
名詞には、数えられる名詞(可算名詞)と数えられない名詞(不可算名詞)がある。
2.
数えられる名詞には、普通名詞と集合名詞がある。
3.
数えられない名詞には、物質名詞、抽象名詞、固有名詞がある。
<数えられる名詞の扱い>
4.
数えられる名詞を使う場合は、①単数(一つ)、複数(二つ以上)という数の概念と、②特定・不特定の概念、2つを同時に表現する必要がある。
<数えられない名詞の扱い>
5.
数えられない名詞のうち、物質名詞(例:water)と抽象名詞(例:love)は、複数の概念がなく、常に単数扱いだが、特定・不特定の概念は表現する必要がある。
6.
数えられない名詞のうち、固有名詞(例:Taro)は、世界に一つしかないという特徴から、①数の概念も、②特定・不特定の差も表す必要もなく、常に単数扱いで複数形はない、また特定されていることが大前提であるため通常「the」という冠詞もいらない。
7.
また、固有名詞(例:Taro)は、最初の文字を大文字で始めることで固有名詞であることを示す。
<可算名詞:数の概念(単数・複数)の表し方>
8.
数えられる名詞(つまり可算名詞)の単数形で不特定の場合には、通常、冠詞「a」を名詞の前につけて単数で不特定であることを表現する(a person)。但し、名詞の最初の発音が母音の場合には、「a」の代わりに「an」をつける(an apple)。
9.
数えられる名詞(つまり可算名詞)の複数形は、名詞の語尾に、通常は「s」をつけて複数であることを表現する(persons)。 但し、名詞の最後の発音が「s音」などで終わる場合には「es」を付ける(classes)。
<不可算名詞:数の概念>
10.
数えられない名詞(つまり不可算名詞)には、数えられないという特徴から数の概念がなく、常に単数扱いとするが、冠詞「a」や「an」は付けない。複数形もない。(water, love, Taro)
<名詞が特定されている場合>
11.
会話上、名詞がどの名詞のことか、特定されている場合は、冠詞「the」を付けて、特定されていることを表現する。(the person, the apple, the class)
12.
「the」の発音は、舌を軽く噛んで「ザッ」と発音する。但し、名詞の始まりが母音である場合には、舌を軽く噛んで「ジッ」と発音する。
13.
冠詞「a」「an」は、①不特定、②単数という2つの意味を示唆するが、冠詞「the」は、①特定されていることだけ意味し、単数・複数という数の概念までは表さない。
従って、名詞が数えられる名詞で、特定された複数形である場合には、「the」を名詞の前に付けると同時に、名詞の後ろに「s」か「es」を付ける必要がある。
<語順>
14.
英語には日本語のような助詞がないため、語順が命となる。名詞の次に述語を置けば、その名詞が主語となる、というルールとなっている。
下の図では、具体的な単語を例として挙げながら、今回説明したポイントを整理しています。
<図8.冠詞+名詞の出現(例)>
最後に重要なことを一言
英語の名詞を扱う場合、①単数・複数という数の概念、②特定・不特定という概念、2つを意識しなければなりません。
これは、日本語にはないルールです。
ですから、日本人が英語を書いたり話したりする際、特に「冠詞」と「複数形」を抜かしてしまう場合が非常に多く、読んだり、聞いたりしていて、非常に違和感を覚えます。
自分も人のことは言えませんが・・・。
名詞を覚える時には「冠詞」とセットで覚えるくらいでないと、なかなかこれを克服できないように思えます。
今後、英語を勉強するにあたり、常に冠詞の有無を意識し、「あ、冠詞が付いているな」とか「この場合は冠詞は不要なんだな」など、必ず確認したいものです。
多くの場合、名詞には冠詞がセットで現れます。
これから、名詞を扱う場合には、必ず「単数か複数か」と「冠詞はどうするか?」を意識するようにしましょう!
そうすれば、「あれ、冠詞がないな」とか、「複数なはずなのに後ろにSがないな」という感覚が身に付いてくると思います。
以上、主語を含むパート「名詞」の基本でした!