【概要】
主語と述語が決まったら、述語として使われた動詞によって、動詞の後に
- 目的語が必要となる場合
- 補語が必要となる場合
- どちらも不要な場合
の3つのパターンが出てきます。
どのパターンになるのかは動詞によって決まりますので、動詞毎に覚えるしかありません。
今日は、「目的語が必要となる場合」を説明します。
<基本英文法のフレームワーク>
「目的語」とは何か?
「目的語」とは、
- 単語の「文のなかでの働き」の一つで、動詞が表す動作や作用のおよぶ対象
と定義できます。
「壁を叩く」の「壁」であったり、「りんごを食べる」の「りんご」が目的語です。
動詞によって目的語が必要か、不要かは決まっているのですが、「一般動詞の多くは目的語が必要」と思っていて良いと思います。
目的語になれるのは「(代)名詞」だけ
目的語になれるのは「名詞」と、代名詞をはじめとする名詞の仲間である「名詞相当語句」だけです。
基本英文法では、「目的語になれるのは『名詞』『代名詞』だけ」と覚えておいても良いです。
名詞とは「人」や「もの」や事柄の「呼び名」のことでしたね。
目的語の位置
目的語として使いたい名詞は、基本的には動詞のすぐ後に置きます。
動詞の前に置いたら、それは「主語」になってしまいますのでやってはいけません。
目的語を必要とする動詞の例
目的語を必要とする動詞はたくさんあります。
例えば、動詞「eat(食べる)」は目的語が必要です。
- I ate an apple. (私は(一つの)りんごを食べた)
「ate」は「eat」の過去形で、「食べた」という意味です。
目的語の「an apple(一つのりんご)」が動詞のすぐ後ろに置かれています。
ちなみに名詞「apple」に「an」という冠詞が付いていますので、「りんご」が会話のなかで特に特定はされていない「ある一つのりんご」だ、ということがここからわかります。
「like(好きだ)」という動詞も目的語が必要です。
- I like Japan. (私は日本が好きだ)
ここでは目的語の「Japan(日本)」という名詞が動詞のすぐ後ろに置かれていて「like」の目的語となっています。
ちなみに「Japan」は固有名詞ですから、最初の文字を大文字で書いて冠詞は要りません。
このように目的語を必要とする動詞のことを「他動詞」といったりします。
ちなみに目的語を必要としない動詞のことを「自動詞」といいます。
同じ動詞でも「目的語」を必要としたり、しなかったり
同じ動詞でも色々な意味があって、意味によって目的語が必要な場合と必要でない場合があったりします。
例えば、「run」という動詞は、自動詞にもなり、他動詞にもなる動詞です。
通常は「run」は「走る」という意味で使われ、その場合は目的語が要らない「自動詞」として使われます。
- I will run. (私は走るつもりだ)
とことが、
- I will run a restaurant. (私はレストランを経営するつもりだ)
とも言えてしまいます。この場合「run」は「経営する」とか「運営する」という意味で、他動詞として使われています。「a restaurant(一つの)レストラン」という目的語をとっています。
このように単語によっては「自動詞」「他動詞」両方で使われるケースもありますので注意が必要です。
目的語が「名詞」の場合
目的語になれるのは「名詞の仲間」だけです。
基本英文法では、「名詞」と「代名詞」だけ、と覚えていて問題ありません。
これまでの例文では「目的語が名詞の場合」を見てきました。
「主語を含むパート」の「名詞」のところで説明したように、名詞にはいくつか種類がありましたね。
種類分けする時に最も重要なものさしが「数えられるか」「数えらないか」です。
そして、文で使う時に、その名詞が既に特定されているものなのか、まだ特定されていないものなのか、を見極めて、それに応じて、冠詞をつけるのか、冠詞は要らないのか、という「決め」も大切になります。
<名詞の種類と気を付けるポイント>
普通名詞である「apple(りんご)」を例にとって少し見てみましょう。
例:
- I like apples. (私はりんごが好きだ)
りんごには色々な種類がありますが、総じて「りんごが好きだ」という場合、普通、複数形「apples」を使います。「an」には「ある不特定の一つの」という意味がありますから、「総じてりんごが好き」というのに、「ある一つのりんごが」というのはちぐはぐになり少しおかしいからです。
ではこれはどうでしょうか。
- I like the apples. (私は(それらの)りんごが好きだ)
今度は、「既に話のなかで出てきていて、特定されていますよ」というサインである「the」が置かれています。こうすることで、既に一回(または複数回)話のなかでりんごが話題になっていて、「それらのりんごについて言っているんですよ、それらのりんごが好きなんですよ」と伝えたい文なんだ、ということが分かります。
ではこれはどうでしょうか。
- I like water. (私は水が好きだ)
「一般的に水が好きなんですよ」と言いたい文ですが、「water」に冠詞がついていませんし、複数であることの「s」もありません。「water」は物質名詞といって、数えられない名詞ですから、単数・複数の考えがありません。ですから、全て単数の形で良いわけです。そのまま「water」を使います。
では、これはどうでしょうか。
- I like the water. (私はその水が好きだ)
「話のなかで既に特定されている」というサインである「the」が付いています。既にその「water」について話題になっていることがわかります。いくつかの種類の水が話題になったのでしょうか。他の種類の水でなく、「その水が好き」と言いたいのだ、ということが伝わってきます。
このように、名詞を目的語にする場合は、数えられる・数えられない、や、冠詞が必要か、不要か、といった名詞固有の注意点に気をつければ良く、目的語だからといって特に形を変えたり、特別に何か考えなければならない、ということはありません。そのまま名詞を動詞の後ろにおけば終わりです。
目的語が「代名詞」の場合
ところが、代名詞を動詞の目的語とする場合、代名詞を「目的格」という形に変えなければなりません。
<代名詞の目的格>
注意深く見てもらうと分かるように、代名詞を主語にする時に使う形(主格)と形が変わるのは、
- 1人称
- I ⇒ me
- we ⇒ us
- 3人称
- he ⇒ him
- she ⇒ her
- they ⇒ them
の5つだけです。他の代名詞は主格も目的格の形が同じです。
例:
- She likes me. (彼女は私が好きだ)
彼女が好きなのは「私」です。「私」の目的格は「me」ですから、「like(好き)」の後ろに「me」という「私」の目的格を置いています。
ちなみに、主語が「she」で、3人称で数が単数(一人)で、時制が「現在」ですから、動詞「like」に「s」が付いている点に注意です。(いわゆる3単現の「s」)
このように「代名詞」を動詞の目的語とする場合は、代名詞の目的格を使うルールとなっています。
続けて、代名詞が目的語になる場合を見てみましょう。
- She likes us. (彼女は私たちが好きだ)
- I like you. (私はあなたが/ あなたたちが好きだ)
※2人称「you」は単数も複数の形が全く同じですから、これだけでは「あなた」なのか「あなたたち」なのかが分かりません。 - I like her. (私は彼女が好きだ)
- I like him. (私は彼が好きだ)
- I like it. (私はそれが好きだ)
- I like them. (私は彼ら/ 彼女ら / それらが好きだ)
※3人称複数を表わす代名詞は全て「them」になってしまうので、「彼ら」なのか「彼女ら」なのか「それら」なのか、これだけでは分かりません。 - I like this. (私はこれが好きだ)
- I like these. (私はこれらが好きだ)
- I like that. (私はあれが好きだ)
- I like those. (私はあれらが好きだ)
以上のようになります。
「代名詞を目的語として使う場合は、代名詞の目的格を使う」というルールの説明でした。
まとめ
- 目的語とは「ある単語の文のなかでの働きの一つで、述語として使われる動詞が表す動作や作用がおよぶ対象」のこと
- 目的語が必要かどうかは動詞によって決まる
- 目的語が必要な動詞を「他動詞」といい、目的語が必要でない動詞を「自動詞」という
- 目的語になれるのは「(代)名詞」だけ
- 目的語は動詞のすぐ後ろに置く
- 動詞によっては「自動詞」「他動詞」両方で使われる場合もある
- 名詞を目的語として使う場合は、特に目的語だからといって形を変えるなどのルールはなく、名詞特有のルール(単数・複数、冠詞)に気を付ければ良い。
- 代名詞を目的語として使う場合は、代名詞の目的格を使う。
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