【概要】
今日は、「述語を含むパート」に登場する「助動詞」についてです。
特に、以下3つの文について見ていきます。
- 「助動詞の過去形」が使われる文
- 「助動詞の過去形+完了形」が使われる文
- 「助動詞の現在形+完了形」が使われる文
「助動詞の過去形」が使われると、概ね、それは「仮定法」です。
「現在、事実とは異なる事がもし起きていたら、どうしているか」という表現が仮定法です。
「助動詞の過去形」の後ろに「完了形(have + 過去分詞)」が使われると100%、仮定法です。
「過去に、事実とは異なる事がもし起きていたら、どうしていたか」という表現が仮定法です。
ところが、「助動詞の現在形+完了形」の文は仮定法ではなく、事実(だと話し手が考えていること)を述べる文になります。
これらについて、助動詞一つ一つに焦点を当てて見ていきたいと思います。
助動詞のおさらい
「助動詞」とは、読んで字のごとく、動詞を助けることばです。助動詞は文を作る時に必ずしも必須というわけではありませんが、助動詞を使うことで、動詞に一定の意味加えて、意味に幅を持たせて表現を豊かにすることができます。
助動詞を使ったら、後ろに来る動詞は原形にする、という重要なルールがありました。
基本的な助動詞は、全部で9つあります。詳細については、過去記事「【初心者向け】英文法:述語を含むパート(5回目)「助動詞」とは?なぜ「助動詞」が必要なのか?」をご覧ください。
「would+原形」と「would+完了形」
助動詞「will(~するだろう(未来)、~するつもりだ(意志))」の過去形が「would」です。
「would+原形」が使われている場合
「would+動詞の原形」が使われている場合、その多くは仮定法として使われています。現在、事実と反することが起きていたら、どうしていたか、を言う表現です。
- I would go on a picnic. ((もし、現在、事実と異なることが起きていたら)私はピクニックに行っていただろう)
⇒ でも実際は今現在、ピクニックには行っていない。
「would +完了形」
「would」と「完了形:have + 動詞の過去分詞」がセットになって登場している場合、それは100%仮定法です。過去に、事実と反することが起きていたら、どうしていたか、を言う表現です。
- I would have gone on a picnic. ((もし、過去に、事実と異なることが起きていたら)私はピクニック行っていただろう)
⇒でも実際には、その時にはピクニックには行かなかった。
「should」と「should+完了形」
助動詞「shall(~することとする(強い未来)、~するつもりだ(意志)」の過去形が「should」です。
「should+原形」が使われている場合
「should」は、「~すべきだ」という意味です。仮定法とは少し違う意味として考えた方が良いでしょう。
- I should go on a picnic. (私はピクニックに行くべきだ)
「should+完了形」
「should」と「完了形:have + 動詞の過去分詞」がセットになって登場している場合、100%仮定法です。過去の事実に反して、どうすべきだったかを言う表現です。
- I should have gone on a picnic. (私はピクニックに行くべきだった)
⇒でも実際はピクニックには行かなかった。
「could」と「could+完了形」
助動詞「can(~することができる(能力)、~の可能性がある(可能性))」の過去形が「could」です。
「could+原形」が使われている場合
「could+動詞の原形」が使われている場合、その多くは仮定法として使われています。現在、事実と反することが起きていたら、どうすることができたか、を言う表現です。
- I could go on a picnic. ((もし、現在、事実と異なることが起きていたら、例えば、本気で行こうとすれば)私はピクニックに行くとこができるだろう)
⇒ でも実際は、今現在、ピクニックには行っていない。
「could+完了形」
「could」と「完了形:have + 動詞の過去分詞」がセットになって登場している場合、それは100%仮定法です。過去に、事実と反することが起きていたら、どうすることができたか、を言う表現です。
- I could have gone on a picnic. ((もし、過去に、事実と異なることが起きていたら、例えば、本気で行こうとすれば)私はピクニックに行くことができただろう)
⇒でも実際にはピクニックには行かなかった。
「might」と「might+完了形」
助動詞「may(~しても良い(許可)、(~かも知れない(推量))」の過去形が「might」です。
「might+原形」が使われている場合
「might + 動詞の原形」は「~するかも知れない」という意味で、「may」よりも更に強い推量、かなり低い可能性を言う時に使いますので、これも「should」と同様に、仮定法とは少し違う意味になります。
- I might go on a picnic. (私はピクニックに行くかも知れない)
⇒ 行かない可能性の方が高い。
「might+完了形」
「might」と「完了形:have + 動詞の過去分詞」がセットになって登場している場合、それは100%仮定法です。過去に関して、もしかして、~だったかも知れない、非常に低い可能性を言いたい時に使う表現です。
- I might have gone on a picnic. ((かなり可能性は低いが)私はピクニックに行っていたいたかも知れない)
⇒でも実際にはピクニックには行かなかった。
助動詞の現在形+完了形
must, may, will は、後ろに完了形を置くことが可能です。
助動詞が過去形ではないので、仮定法(事実と異なること)ではありません。
「must+完了形」
助動詞「must(~しなければならない(義務)、(~に違いない(強い推量))」に完了形をつなげると、
- must have + 過去分詞
となり、「~したに違いない」と、過去についての強い推量の意味になります。
- He must have gone on a picnic. (彼はピクニックに行ったに違いない)
「may+完了形」
「may」は、現在形ですが、完了形をつけることで、過去についての軽い推量を表します。
- He may have gone on a picnic. (彼はピクニックに行ったかも知れない)
「will+完了形」
「will have + 過去分詞」は、将来、ある一地点では、すでに何かが完了していることを言いたい時に使いますので、これだけ未来のこと、になります。
- I will have gone on a picnic. (私はピクニックに行ってしまっているだろう)
まとめ
以上のように、助動詞を使うと表現の幅がかなり広がります。
少しややこしくなりましたので、最後にもう一度、整理します。
1.
「助動詞の過去形」だけでは仮定法だったり仮定法でなかったりします。
しかし「助動詞の過去形+完了形」は、100%、過去の事実に反することを言う仮定法(仮定法過去完了)です。
今日は「助動詞の過去形+完了形」の意味だけ覚えてください。
- I would have gone on a picnic. ((過去に)ピクニックに行っていただろう)
⇒実際は行かなかった。(仮定法) - I should have gone on a picnic. ((過去に)ピクニックに行くべきだった)
⇒実際は行かなかった。(仮定法) - I could have gone on a picnic. ((過去に)ピクニックに行くことができたであろう)
⇒実際は行かなかった。(仮定法) - I might have gone on a picnic. ((過去に)ピクニックに行っていたかも知れない)
⇒実際は行っていない。(仮定法)
以下は、助動詞が現在形なので、仮定法ではありません。
- He must have gone on a picnic. ((過去に)ピクニックに行ったに違いない)
⇒実際行ったと強く思っている。 - He may have gone on a picnic. ((過去に)ピクニックに行ったかも知れない)
⇒実際行ったかも、と軽く推量している。 - I will have gone on a picnic. ((将来)ピクニックに行ってしまっているだろう)
⇒実際行こうと思っている。
2.
「would」「could」は仮定法(事実に反すること)であることが多い。
「should」「might」は、仮定法というより、それぞれ「~すべきだ」「~かも知れない」という意味で覚えたほうが良い。
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