【概要】
国際ビジネスコンサルタントのこじたむです。
英語で発音はとても重要です。
発音をしっかりマスターするか、しないかで、後々の上達スピードが大きく異なります。その基礎がアルファベットの発音。「L」と「R」だけでなく、「F」と「H」も意識していますか?
今回は、私がビジネスの実践の場で常に実感している、重要となる各アルファベットの発音について、その肝となる部分だけを抜き出して説明します。
以下のような方、是非読んでもらいたいです!
- 学術的なことはどうでもいいから、発音の重要なポイントだけ知りたい人
- 英語の上達スピードを速めたい人
<図1:英語の勉強フレームワークにおける今日の説明範囲>
発音の重要性
前回、英語学習の全体感について書いた時、発音の重要性について書きました。
発音をマスターしているのと、していないとでは、今後の英語の上達のスピードに格段の差が生じてきます。
英語をマスターしようと思ったら、まずは発音、特に最初は、アルファベットの発音をマスターすべきです。これは何度言ってもいい足りないくらいに重要です。
ちょっとこれを見てください。
<図2:アルファベット発音の位置づけ>
会話で楽しみたいのは、言わずもがな、その内容であったり、表現だったりします。その会話を支える土台となるものが、正しい文法であり単語です。大体、これは理解していただけると思います。
実は更に基礎として大切になるのが、発音です。以外とこれは重要視されていないように思います。
実践の中で、このことがよ~く分かりました。
端的に言えば、発音が悪いと伝わらない、あるいは、相手に一瞬「?」と考えさせてしまいます。また、自分の発音が正しいと、聞き取りもそれだけ楽になるのです。
ですから、発音は英語のみならず、全ての言語の基礎であり、とても重要なんです。その基礎の基礎がアルファベットの発音というわけで、最初にしっかりこれを叩き込むことが重要というわけです。
ポイント
【発音の極め方】
以前、英語習得の本質は「体に馴染ませることだ」と言いました。
発音も同じです。
まずは正しい発音の仕方を理解して、繰り返し練習します。
と言っても、これから英語を勉強したり使ったりする時に発音を意識すればよく、A、B、C…と単にアルファベットを何百回も繰り返す必要はありません。
英語に触れるたびに繰り返して意識する事で、意識から無意識のレベルに持っていく事です。
このように反復していく事で、いかに体に刷り込ませるか?が重要になります。私のような凡人が英語をマスターしようと思ったら、もうこれしかありません。
ですから、発音の基礎となるアルファベットは、英語の勉強を始める前に、しっかり理解しておくことが大切になります。
各アルファベットの発音
まずは、最も基礎であり重要となるアルファベット、各文字の正しい発音を理解しましょう。
ということで、まずはこちら、皆さんご存知のアルファベットです。
この一文字、一文字の聞こえ方と注意点を見ていきます。
※「発音」にある発音記号は、旺文社「中学総合的研究英語」を参考にしています。
「A」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
エィ
発音時の注意点:
「エ」にストレスを置いて、日本語で普通に「エィ」と発音すれば英語の「A」の発音となりますので、それ程注意する必要はありません。
ただし、エーでなくエィと、若干「ィ」の音が入ることはおさえておきましょう。
「B」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
ビー
発音時の注意点:
Bは、一旦口を閉じた状態から、「ビ」にストレスを置いて、ビーと発音します。
日本語で普通に「ビー」と発音すれば良いので、それ自体は難しくはありません。
ただし、「B」は「V」との対比が重要です。
「V」は、上の歯が下唇に軽く触れた状態(軽く噛んだ状態)で発音します。
従って、口は閉じません。
「B」と「V」は、日本人には似ている発音となりますが、英語圏の人には全く違った音で聞こえるようですので、しっかり、この違いを理解し、習得しましょう。
「C」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
スィー
発音時の注意点:
「C」の発音は日本語にはありませんので、発音時は注意が必要です。
日本語にないので、カタカナで音を表現するのがとても難しいです。日本語の「し」はローマ字で書くと「shi」と表記されますが、英語の「C」は「si」と表記され「h」が入りません。
「ス」にストレスを置いて、発声してから素早く、ほぼ同時位に「ィ」を発音、そのまま息を吐き出す感じです。
「D」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
ディー
発音時の注意点:
日本語で「ディ」の部分にストレスを置いて、普通に「ディー」と発音すれば、英語の「D」になります。
あまり、意識しなくても良いですね。
「E」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
イー
発音時の注意点:
日本語で、「イ」の部分にストレスを置いて、普通に「イー」と発音すれば、英語の「E」になります。
これもあまり、意識しなくてもできますね。
「F」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
エフ
発音時の注意点:
「F」の発音は、日本語にありませんので、発音時には注意が必要です。
「フ」の部分の発音が重要で、上の歯で下唇の裏側あたりを軽く噛む状態を作ります。
上の歯の先と下唇(の裏側あたり)がくっついていることが重要です。
そして、息だけを口の外に押し出します。
息を送り出すだけですので、日本語の「フ」とは発声はしません。
ですから、「エフ」という表記は正確にいうと正しくありません。しかし、日本語では定義されていない音ですので、表記方法がない、というのが正直なところです。
この「F」の発音、英語ネイティブの英語を聞いていると非常にはっきり聞こえてくるのですが、日本人の英語では聞こえてこないので、聞いていてとても違和感がある部分です。
例えば、「ファイト」という言葉。
英語では「FIGHT」と「F」から始まりますので、上の歯が下唇に当たった状態で発声する音がでるはずですが、日本語だとそれがありません。
日本語で「ファイト」というと「F」音がなく、「ホワイト」と聞こえるのです。
「F」を発音する時には、この「上の歯が下唇に当たった状態」をかなり意識するようにしましょう。
「G」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
ジー
発音時の注意点:
日本語で、「ジ」にストレスを置いて、「ジー」と発音すれば英語の「G」となります。
それ程意識しなくても良い発音です。
「H」:発音と注意点
音声:
聞こえ方:
エイチ
発音時の注意点:
日本語で「エ」の部分にストレスを置いて「エイチ」と発音すれば、英語の「H」になります。
これも、それ程意識しなくても良い発音です。
あえて言うと「エッチ」でなく、「エイチ」と発音します。
「I」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
アィ
発音時の注意点:
日本語で「ア」の部分にストレスを置いて「アィ」と発音すれば、英語の「I」になります。
これも、それ程意識しなくても良い発音です。
「J」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
ジェィ
発音時の注意点:
日本語で「ジェ」にストレスを置いて「ジェィ」と発音すれば、英語の「J」となります。
それ程意識しなくても良い発音です。
ただし、「ジェー」ではなく「ジェィ」と軽く「ィ」音が入ります。
「J」が「ジャィ」?
私がスコットランドにいた時、スペルを確認する時などに、「J」を「ジャィ」と言う人がいました。例えば、「JAPAN、はジャィ、エィ、ピー、エィ、エンだよね」といった具合。
これは、「G」との区別をはっきりさせるために、わざとそのように発音したものと思われます。
私がいたスコットランドの北部では、「エィ」の発音が「イー」となる「なまり」があり、「G」も「J」も「ジー」に聞こえるんですね。
世界中で話されている英語、色々ななまりがあります。それが英語の面白い点でもありますね。
「K」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
ケィ
発音時の注意点:
日本語で「ケ」にストレスを置いて「ケィ」と発音すれば、英語の「K」となります。
ただし、「ケー」でなく「ケィ」と軽く「ィ」音が入ります。
「L」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
エゥ
発音時の注意点:
「L」は日本語にない発音と考えて、意識して発音することが必要です。
「エ」と発声したすぐ後に、舌の先を上の歯の裏側、歯茎との付け根あたりにくっつけることで「L」が発声されます。
つまり日本語の「エル」と発音した音とは全く違う音になり、どちらかというと「エゥ」と聞こえます。
特に、「R」との違いを意識することが重要です。
日本人は「L」と「R」の発音が苦手、などと良く言われます。
日本語の「らりるれろ」と発音すると、舌が口のなかで、上の歯茎にくっつきますので、どちらかというと「La, Li, Lu, Le, Lo」に近い音に聞こえます。
ただし、英語の「L」は、舌をもう少し前に出すようにして、歯の裏側の歯茎との付け根くらいに持ってきますので、若干、違う音になって発声されます。
ところが、英語の「R」を発声する時は、舌は口のなかのどの部分にもくっつきません。
※「R」という文字はとてもやっかいですが、「R」の発音時は、舌が口のなかのどの部分にもくっつかない、ととらえていれば良いです。
「ラララ~♪」は「La」か「Ra」か?
私はビートルズが好きで、1966年にビートルズが来日した時の、日本武道館で演奏している映像を何度も見たものです。
「Nowhere Man(邦題:独りぼっちのあいつ)」を演奏中、ジョージ・ハリスンが、「ラ~ラララ~」とバックコーラスを歌うシーンがアップで撮影されているのですが、その時の舌がよく見えます。
バッチリ、舌を上の歯の裏側にくっつけているのが良く分かります。
「ラララ、は『Ra Ra Ra』でなく、『La La La』、『L』なんだな」と強く感じたものです。
「M」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
エン
発音時の注意点:
日本では、「M」を「エム」と書いたりしますが、あえて「エン」と書いています。正確に言うとどちらも正しく表記しているとは言えません。
「M」は、「N」との違いで覚えておくのことが重要です。
この2文字の発音の違いを意識して発声するようにしましょう。
「M」は「エ」と発声した後に口を閉じることで自然と「ン」を発声します。
「N」は「エ」と発声した後に口を閉じずに「ン」と発声します。
「M」と「N」は、この「口を閉じるか、閉じないか」が発声上、とても重要になります。
「N」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
エン
発音時の注意点:
「M」で説明したように、「N」の発音は「M」との違いで覚えておくのが必要です。
「M」は「エ」と発声した後に口を閉じることで自然と「ン」を発声します。
「N」は「エ」と発声した後に口を閉じずに「ン」と発声します。
「O」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
オゥ
発音時の注意点:
オーではなくオゥと、軽く「ゥ」という音が入ります。
日本語で「オ」にストレスを置きつつ、普通に「オゥ」と発音すれば、英語の「O」の発音になります。
「P」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
ピー
発音時の注意点:
日本語で「ピ」にストレスを置いて「ピー」と発音すれば、英語の「P」となります。
それ程、注意が必要な発音ではありません。
「Q」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
キュー
発音時の注意点:
日本語で「キュ」にストレスを置いて「キュー」と発音すれば、英語の「Q」となります。
それ程、注意が必要な発音ではありません。
「R」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
アー
発音時の注意点:
「R」の発音は日本語にはありませんので、意識して覚えることが重要です。
発声の仕方は、「ア」といった後の「ー」と音を伸ばす部分で、若干、舌を口の中の奥の方に引っ込める感覚です。
よく「舌の先を丸める巻き舌で」と説明されることがありますが、正確に言うと、「舌の先を丸める」のではなくて、舌全体を口の奥側に少しだけ引っ込めて、ほんの少しだけ空気の通りを悪くして、音をこもらせる感覚です。
その時、舌は口のなかのどの部分にも触れません。
昔、ジャイアント馬場さんというプロレスラー方がいて、「アッパー」と言って、モノマネをする芸能人がいました。
その「アッパー」の「パー」の部分、特に音を伸ばす「ー」の部分の発音が、「R」の発音に近く、いつも「R」の発音だな、と思ったものです(笑)。
日本人に関する「勃起」ジョーク
日本人は、「L」と「R」の発音ができないことで世界的に(?)有名で、ジョークになっていたりします。
「Election(選挙)」を「Erection(勃起)」といい間違えるというネタです。
日本人にとっては、それ程大差がないように聞こえる「L」と「R」、英語圏の人からすれば大きな違いだったりします。
はっきりと違いを意識して発音したいものですね。
「S」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
エス
発音時の注意点:
「エ」にストレスを置いて発声した後に、軽く「ス」と言えば、英語の「S」になります。
それ程、注意が必要な発音ではありません。
あえていうと、「ス」の部分は、ローマ字表記でいうと「SU」でなく、「S」の音のみとなります。
日本語(共通語)を話している時、「~です」とか「~ます」と普通にいうと、「~DESU」と発音するというよりは、「~DES」と発音しています。この時の「ス」に近い音となります。
「お酢」の「酢」(SU)と言う時の音ではなくて、「~です」の時の「す」(S)の音です。
「~です」は「desu」ではない?!
スコットランドで日本語を教えていたことがあります。
そこで「~です」「~ます」の発音を教えるのに困ったことがあります。
有名な教材を使っていたのですが、「~です」「~ます」は、ローマ字表記で必ず「~DESU」「~MASU」と「す」の部分が「SU」と表記されていました。
日本人の感覚からすると非常にまともな表記の仕方だと思います。
ところが、ある日、スコットランド人が「DESU」でなく、「DES」ではないか、と言ってきたんです。
自分で試しに何度か「です、です・・・」と言ってみて、「確かに!」と思いました。
英語圏の人からすれば、表記上「U」を入れると、お酢の「酢」という時のように、「U」の音を少し強調しなければなりませんが、実際は、「ですー」などと「U」音を入れることなく、「S」音のみを発声します。
それからというもの、英語圏の人にローマ字を使って日本語を教える時には、「~DES」「~MAS」を使って、こちらのほうがより正しい、といって教えることにしました。
「~です」は「DESU」でなく「DES」、この感覚は、英語圏の人(あるいは、外国の人)ならではの発想なのかな、と感慨深い思いをしたものです。
「T」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
ティー
発音時の注意点:
「ティ」にストレスを置いて発声した後に、そのまま音を伸ばせば、英語の「T」になります。
お茶の「ティー」と同じ発音です。
これ自体は特に問題はありませんが、気をつけたいのは、ストレスの強度です。
日本語の感覚すると、かなり強めで「ティ」の部分を発声し、息をぶわっと前に押し出すようにして、音を破裂させるくらいが良いと思います。
他にも、「K」や「P」なんかも、破裂させて発音するくらいがちょうど良い文字なのですが、日本人にとって、その中でも最も重要な「破裂音」は「T」だと思います。
「T」は強めで発音することを覚えておきましょう。
「U」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
ユー
発音時の注意点:
「ユ」にストレスを置いて発声した後に、そのまま音を伸ばせば、英語の「U」になります。
それ程、注意が必要な発音ではありません。
「V」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
ヴィー
発音時の注意点:
日本語にはない発音ですので、しっかり意識することが重要です。
発声の仕方は「F」の「フ」の音と非常によく似ています。
上の歯の先を下唇の裏側あたりに軽く乗せる状態(軽く噛む状態)を作る、ここまでは「F」と全く同じです。
「F」は息だけをそのまま口の外に吐き出して作る音でしたが、「V」は「ヴィ」の音を発声します。
そして、もう一つ重要なことは、「B」との違いです。
「B」は、口を一旦閉じた状態から、「ビー」と発音しましたが、「V」は口を閉じません。
例えば、「violence」(暴力)という言葉。
日本では、「バイオレンス」と表記しますので、「バ」の部分が「B」音になり、これで覚えてしまうので、なかなか「V」音を意識して発声する癖がついていません。
「F」同様、「V」も、発声の時の歯と唇の形をかなり意識して、それが「当然の癖」になるくらいに体に染み込ませていく必要がある文字と言えます。
「W」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
ダブリュー
発音時の注意点:
「ダ」にストレスを置いて、一気に「ダブリュー」と言えば、概ね英語の「W」の発音になります。
正確には「U」が二つつながってできた文字、「二つのU」という意味で、「ダブル」(double)と「ユー」(U)から成り立っている発音ですから、「リュー」の部分には「L」があるため、「L」の音に留意して発音する必要があります。
「L」の音は、上の歯の裏側の、歯と歯茎と間くらいに舌をくっつける状態で発声することが重要ですので、その形を作って「リュー」と発声する、というのが正確です。
ただし、「L」の所で書いたように、日本語の「リ」の音は、英語の「LI」にとても近いので、普通に日本語で「ダブリュー」と発音すれば、ほぼ「W」に聞こえます。
「X」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
エクス
発音時の注意点:
「エ」にストレスを置いて発声した後、一気に「クス」と言います。
「クス」の部分は、「く・す」と丁寧に発音しません。
ローマ字表記で書けば「kusu」ではなく、「ks」と破裂音だけが聞こえるイメージです。
「s」の部分は、「S」のところで書いたように、「~です」「~ます」の「す」の発声で、「k」の部分も同様に「k」音のみを発生します。
「Y」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
ワィ
発音時の注意点:
日本語で、「ワ」の部分にストレスを置いて発声して、軽く「ィ」と言えば、英語の「Y」になります。
それ程、注意が必要な発音ではありません。
「Z」の発音と注意点
音声:
聞こえ方:
ズィー
発音時の注意点:
「Z」は、読み方として、英国式の「ゼッド」と米国式の「ズィー」がありますが、ここでは米国式の「ズィー」で説明します。
「Z」は日本語にはない発音ですので、注意して覚えることが重要です。
「C」が、「スィー」のように発音したのと同様、「ズ」の部分と「ィ」の部分を、ほぼ同時に早く言うと、英語の「Z」になります。
まとめ
さて、これでアルファベット全てを見てきました。
何度も言いますが、アルファベットの発音はとても重要で、今後の上達スピードにかなり利いてきます。
これから、英語に触れる度に、口の動き、舌の動きに注意しつつ、常に正しい発音を意識していきましょう。
この次は、アルファベットの発音をマスターする上で、より大切な事に触れていきますので、是非読んでみて下さいね。