【概要】
英語を何度勉強しようとしても、挫折してしますよね?真剣に勉強すればする程、挫折はつきものです。なぜでしょうか。目的意識もあり、必要に迫られているのに、挫折してしまう理由は?ここでは、挫折する人の特徴を踏まえ、これを回避するための方法を書いています。英語の勉強でもう挫折を味わいたくない人、必読です!
自分の経験を踏まえて、英語の勉強でやる気があったのに、途中で挫折しないためにはどうすればいいのか? これを話していこうと思います!
英語の勉強で大切なのは「全体感」を把握すること
なぜ、英語の勉強で挫折してしまうのか?
強い目的意識がないから、とか、本当は必要に迫られていないからなどが挙げられるかも知れません。
しかし、これらはどちらかというと、前提条件でして、目的があり、必要に迫られているにも関わらず、挫折してしまうことも多々あります。
私は、勉強の進め方に問題があるのではないか、と考えています。
端的に言うと、それは、まずは全体感を意識しながら勉強しないから、というのが大きな原因の一つだと思っています。
全体感とはなんでしょうか?
全体感とは、
- 範囲:どこからどこまで勉強する必要があるのか?
- 手順:どこから初めてどう最終地点までたどりつけるのか?
- 現在地点:今は全体のなかで、どのあたりに位置するのか?
といった要素に分解できます。
全体感を意識しながら勉強を進めないと、勉強内容の目的もわからず、暗中模索の状態に陥り、挫折すると考えます。
これだけではないかも知れませんが、重要な要因だと考えますし、全体感がわかっていれば、勉強が楽になります。
例えば、あなたがフルマラソンを走っているとします。
しかし、
- 一体、何キロ走ればいいのか?
- どうやってゴールにたどり着けるのか?
- 走っている途中、今、全体のなかのどの辺りを走っているのか?
を知らなかったら、気が滅入りませんか?
これらを知り、全体感をもって走るからこそ、力配分など戦略的な思考ができるようになります。
勉強でも同じです。
もし皆さんがすでに社会人だとして、中学・高校などでの勉強を思い出してみましょう。
英語にしても、数学にしても、次から次へと新しいことが続出してきて、一体、どこまで覚えればゴールなのか、際限がない感覚ってありませんでしたか?
私は、いつもそういう感覚がありました。
文法だの読解だの出てきて、それらがどう関連付いているのかわからないし、どこまでやればいいのか、さっぱり分からないので、気が滅入ったものです。
今なら、「あ、はいはい、そのことね」という感覚があります。全体がわかるから部分がわかる、という感覚です。
学生の時、こういう「全体感」を教えて欲しかった~、と強く思います。
確かに、全体感を把握さえすれば、英語をマスターできるものではありません。具体的な勉強の中身が重要なことは言うまでもありません。
ただし、挫折の大きな要因を取り除けますし、頭の整理ができるので勉強もかなり効率的になると考えます。
また全体感を意識なんかしたことがない、という人もいるかも知れません。
しかし、意識している・していない、に関わらず、かなり習得した仕事なり科目では、実は、全体感を把握していて「あ、今ここね」と感覚的にわかっているのだと思います。
この全体感の重要性は、仕事を通じて発見し、日々実感しているものなんです。
私はコンサルタントですが、新しい戦略だとか仕事のやり方だなどを、クライアントに説明し、それを全社に展開したりします。
そういった新しい考え方なり手順を説明する時、複雑で範囲が広い場合は特に、いきなり詳細から説明するとまず理解されません。
クライアントから叱られたりすることもあります。
「もっと全体の概要を先に説明してくれ」と。
全体から詳細へ、この流れはコンサルティングの世界では鉄則です。
自分でも常に新しいことを勉強していますが、新しいことを短期間で学ぼうとした時に、まずはざっくりした全体感を把握するのが効率的で速いことを経験から実感しています。
なんでもそうだと思うのですが、新しいことを学ぶ時は、いきなり詳細から入ってはダメなんです。
天才ならいざ知らず、私のような凡人では頭の整理ができずに、時間を費やしても効果が上がりません。
英語の勉強にも、とりあえずここまでやりましょう、という「範囲」と、こういう道を辿りましょう、という「正しい勉強の手順」があります。
そして、勉強中は常に「現在地点」を把握しながら進めることがとても大切です。
これらをわかった上で勉強することは、理解の上でもモチベーションの維持の観点からも、実はとても重要なんです。
英語勉強の全体感を説明します
まずは、下の図を見てもらいましょう。
<図1:英語勉強の全体像(英語勉強フレームワーク)>
私が今までの経験から、「これだ!」と考える、英語勉強の全体像を表現するフレームワーク(枠組み)です。
まず、英語の勉強の範囲は中学・高校レベルとなります。
仕事で使える程度であればこれで十分です。
次に手順、これには5つの要素があります。
まずは、大きく分けて、
- 一定期間、集中するもの
- 毎日するもの
- 時折するもの
に分かれます。
毎日勉強するものは、単語・熟語です。
英語の勉強を進めるなかで出てきた知らない単語・熟語はかたっぱしから覚えていく必要があるからです。
時折するものは、実際、外国人とのやり取りです。習った英語を使ってみて、意味が通るか、相手の言っていることが理解できるか、など成果を試す場です。
それ以外は、じっくり集中して、目的を明確にして取り組むことが重要です。
<各要素の説明>
1.発音を極める
え?いきなり発音?と思われたかも知れません。
しかし、自分が20年以上苦労してきた経験、そして今、日々英語で仕事をしている実体験から断言できます。
発音は超重要です。
英語ができない人はまず発音がダメなんです。
にも関わらず、日本ではそれ程、重要なものとして焦点が当たっていません。あまり発音の重要性に気が付いている人がいないのではと思われます。
特に、すべての単語の発音の基礎になるアルファベットの発音は超重要で、ここをきちんと理解しマスターしているかどうか、でその後の伸びに大きく影響します。
まずは、
アルファベットの発音
をきちんと理解・マスターするようにしましょう。
例えば、「H」と「F」の違い、明確に意識して発音していますか?
発音を「極める」くらいのつもりでマスターしましょう。
目安の勉強期間は、毎日1時間、勉強に割くとして、およそ1か月かからないくらいだと思います。
まずはひたすら、アルファベットと簡単な単語で発音の練習をします。
ですから、ネイティブが実際発音している音声CDなり、インターネット上で聞ける音声は必須です。
2.文法・構文を理解する
第1の難関、文法・構文です。
難関な理由は、単に範囲が広いからです。決して難しいからではありません。
文法・構文は、範囲がそれなりに広いので、
- 超基礎
- 基本
- 詳細
という3段階くらいのステップを踏んで勉強するのが最も効率的だと思います。
くれぐれも最初から、参考書なりで詳細なところまで踏み込んで勉強してはいけません。
冒頭で申し上げた、全体感の把握→詳細のステップを踏む、これが大切です。
超基礎とは、文法・構文の全体感を把握するために実施します。
一通り、各文法の要素がどういう概念なのか?といった理解を重視し、概略をつまむ程度で進めます。
ただし、私の理解の範囲だと、正直これをガイドしてくれる良書がありません。
超基礎+基本をまとめてしまって、中学校の英語の参考書+関係詞だけを最初に勉強するのも、セカンドベストですが、ありだと思います。
勉強期間の目安は、4か月程度だと思います。
通常、文法書は20章~30章程度に分かれているので、
・超基礎:2週間
・基本:1.5か月(1日1章の感覚)
・詳細:2か月(2日1章の感覚)
と考えました。
あくまで目安なので、きちんと理解できているのか、という本質的な部分を自分で判断して進んで下さい。
3.文章読解のコツを会得する
文章読解とは、言い換えれば、文章の文法構造をとらえる、ということで、もっとストレートに言えば、
主語と述語を理解できるようにすること
だと思って頂いても良いです。
とにかく、何が主語で何が述語なのか、を理解することが、文章読解では極めて重要ですので、まずはそこから訓練します。
この段階で、実はもう一つ、重要な練習があります。
それは音読です。
音読もぼーっと声に出して読むのではなく、以下の2つの重要なことを考えながら練習することが重要です。
①文章を頭から理解していくこと
②きれいな発音を心がけること
英語は言葉です。
言葉とは、頭から発生され、最後の「 ピリオド」で終わり、終わった時には意味が理解されている、というのが本筋ですから、返り読みなどせず、読むにしたがって意味が少しずつ理解され、最後に「わかった」を実感できるようにすることが必要です。
発音も重要な英語上達の要素なので、アルファベットの発音を意識しながら、きれいな発音を心がけて練習しましょう。
せっかく意味を理解した文章を最大限活用し、その訓練をしましょう、という意図もあります。
勉強期間の目安は、3か月程度。
私がこの練習をしていた時は、2~300文字程度の短い文章を、繰り返し100回音読する、と決めてやっていました。
この場合、一文1週間程度はかかりますので、3か月でも12文しか練習できません。
ですので、
・繰り返し音読練習する文章 と
・音読練習しない文章
を決めて、文章理解の練習をしても良いかも知れません。
4.シャドーイングを極める
シャドーイングとは、ニュースや映画などで話されている言葉を、感情や表情など含め、そっくりそのままおうむ返しで発声する訓練方法です。
これをひたすら繰り返していきます。
正直、この段階まできて、例えば、映画2~3本マスターすれば、あなたの英語力が急速に上昇していくのが実感できると思います。
当然ですが、
①文章を頭から理解すること
②きれいな発音を心がけること
を意識することはいうまでもありません。
5.単語・熟語をひたすら覚える
単語・熟語は毎日やります。
出てきた単語は、自作の単語帳を作って、繰り返し覚えるようにしましょう。
6.試合する
「試合」とは、実際外国人と英語で話したり、メールのやり取りをしたりして、練習の成果を試す場、ということです。
習った英語をどんどん使っていくようにしましょう。
以上ですが、目安の期間は、全体を1年間と設定した場合の割り振りです。
どうでしょうか?
1年間も勉強するのか!と思われたかも知れませんが、仮に英語は高校ぶりだ、なんて人が英語を使えるようにしようと思ったら、個々の要素にかかる時間を考えると、ことのくらいはどうしても必要だと思います。
ただし、この手順を踏んで、きちんと勉強していけば、あなたの英語力は飛躍的に上達することでしょう。
更に勉強期間を短縮したい、という方は、文法は何とか理解できるよ、という前提付きですが、音読とシャドーイングからスタートしても良いかも知れません。
シャドーイングで訓練していくと、そのうち、英語が染みついてきて、いつのまにか、「メンテナンス」の期間に入っていきます。
つまり、大体英語をマスターできてきたけど、たまにはメンテして、英語力を維持しよう、というのがシャドーイングの位置づけになってきます。
さらに言えば、ここまでくると、「試合」のチャンスが頻繁にある場合、毎日練習する必要さえなくなってきます。
試合の場がメンテの場になってくるからです。こうなれば、たまにメンテするだけでおよそ維持できるようになるので、なんとか頑張ってこの段階までいって欲しいな、と思います。
目指す姿(ゴールイメージ)
さて、英語を勉強していった結果、あなたはどのような状態になっているか、ゴールイメージを想像してみましょう。
私が描くゴールイメージは、以下のようなものです。
<図2>
ゴールイメージを持つことは重要ですので、自分なりのゴールイメージを持って、是非、頑張ってくださいね。
まとめ
英語は多くの人が苦手意識を持っているかも知れませんが、一方で使える人も多く、決して難解なものではありません。
日本語で新聞や小説を読む読解力と、頑張るぞ!という意思さえあれば、上であげたくらいの状態であれば「誰でも」到達することが可能だと思っています。
そんなにハードルは高くありませんので、全体感を維持しつつ、決して諦めずに頑張りしょう!
最後まで、お付き合い下さり、ありがとうございました!