今日は、「~しない」や「~でない」といった否定文についてです。
日本語の場合、否定文を作るには、述語部分に否定語を持ってきて否定文を作ります。
「私は(主語)好きではない(述語)」
これに比べて英語の否定文の作り方はバラエティーに富んでいます。
- 述語で否定するパターン
- 主語で否定するパターン
- 目的語・補語で否定するパターン
と3つの方法があります。
今日は、「3. 目的語・補語で否定するパターン」について話します
1,2については、以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある人は是非お読み下さい。
<「述語で否定するパターン」は以下で>
<「主語で否定するパターン」は以下で>
目的語で否定するパターン1:「no + 名詞」
目的語になれる品詞は名詞・代名詞など、名詞の仲間だけです。
目的語となる名詞の前に「no」を置けば、否定文が完成します。
目的語に「no + 名詞」を使うことで否定文を作ることができる。
名詞が数えられる名詞でも数えられない名詞でも関係なく「no」を前に置けば否定語の完成です。
「no」は数えられる名詞・数えられない名詞、どちらの前にも置ける。
とても簡単ですね。
I have no pens. (私はペンを持っていない)
上の文は、正確には「私はゼロ個のペンを持っている」と言っています。「ゼロ個のペン」つまり、「ペンは持っていない」という意味となります。英語独特の言い方です。
注意点は、ゼロ個なのに「pen」が「pens」と複数となる点です。目的語で否定する場合、通常、数えられる名詞の場合、名詞を複数形とします。
I have no money. (私はお金を持っていない)
これも同様で、「ゼロのお金を持っている」と言っているのですが、つまり「お金を全然持っていない」という意味となります。
「money」は英語の世界では数えられない名詞ですので複数形はありません。
目的語で否定するパターン2:「few + 名詞」「little + 名詞」
「no」の代わりに「few」「little」を使うことができます。
「no + 名詞」は、「ゼロの~」ですから、意味としては完全に否定する文となります。
「few」「little」 は、完全にゼロというわけではなく、ちょっとはあるかも知れない、というニュアンスを含みつつ、意味としては否定となる単語です。
「few + 名詞」「little + 名詞」でも「ほとんどない」という否定文を作ることができる。
使い分けのルールとしては、以下となっています。
「few」は数えられる名詞に付ける。
「little」は数えられない名詞に付ける。
というルールになっています。
I have few pens. (私はほとんどペンを持っていない)
I have little money. (私はほとんどお金を持っていない)
補語で否定するパターン:「no +(形容詞)+ 名詞」
通常は、述語部分か主語部分に否定語を置いて否定文を作るのが普通です。
ところが、「no + (形容詞)+ 名詞」を補語にして否定文を作ることもできます。
補語で否定する時には、「いやいや~どころの話じゃない」というかなり強い否定を言外に含みます。
また、補語になれるのは形容詞と名詞がありますが、通常は、「no + 形容詞」で否定することはありません。
It is no joke. (冗談どころではない)
It is not a joke. (冗談ではない)は、単に「冗談」であることを否定する文ですが、「no joke」というと、冗談どころではない、とても真剣な話なんだ、という意味になります。
She is no teacher. (彼女は先生どころではない)
これも「彼女」は教えた方下手過ぎるのか何かの理由で、とても先生なんて呼べない、絶対に先生ではない、といった強いニュアンスが伝わってきます。
It is no easy job. (それは楽な仕事どころではない)
これも「決して楽な仕事なんかではなくて、とても大変な仕事だ」というニュアンスあります。
注意点は、「no」をつけて否定すると、冠詞がもはや要らなくなる、という点です。
通常の否定文と比較してみましょう。
(通常の否定文)It is not a joke.
(no+名詞の否定文)It is no joke.
通常の否定文には、数えられる名詞の単数には「a」「an」という冠詞が必要ですが、「no + 名詞」の名詞の前に冠詞が要りません。
(通常の否定文)She is not a teacher.
(no+名詞の否定文)She is no teacher .
(通常の否定文)It is not an easy job.
(no+名詞の否定文)It is no easy job.
「no + (形容詞) + 名詞」の名詞には冠詞は不要
まとめ
今日は、目的語や補語で使われる名詞に否定語を付けることで否定文を作ることができる、という話をしました。
- 目的語で使う場合
- 「no + 名詞」
- 「few + 名詞」
- 「little + 名詞」
- 補語で使う場合
- 「no + (形容詞) + 名詞」
実は、目的語や補語に限らず、名詞は「主語」にもなれますので、「no + 名詞」を主語として使えば、同様に否定文を作ることができます。
No money was paid. (お金は払われなかった)
主語で否定文を作る方法は、本記事の初めに紹介した関連記事で説明していますので、そちらも併せてお読み下さい。
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