【概要】
前回、態(たい)の説明をした際、受動態(受け身の文)を作るには、
主語(名詞)+be動詞+過去分詞+by 名詞
という形を作る必要がある、と説明しました。
述語パートである「be動詞+過去分詞」の部分で、主語が受け身的に何かをやられた、という意味にするわけです。
そして、過去分詞については、こう説明しました。
過去分詞とは、動詞の活用の一つで、
- ①~しちゃった、と、何かが完了したことを言う時に使う
- ②~された、と、受け身の文を作る時に使う
と、大きく2つの意味を持っています、と。
動詞は面倒なことに主語や態などに影響を受けて色々な形に姿を変えます。これを動詞の活用といって、英語ではとても大切です。
今日は、動詞には過去分詞の他に、どのような活用があるのか、を見ていきます。
動詞の活用:5通り
動詞には以下5つの活用があります。
- 原形:動詞のもともとの形(辞書に載っている形)
- 現在形:現在のことを話すときに使う形
- 過去形:過去のことを話すときに使う形
- 現在分詞:動作が進行していることを特に強調したい時に使う形
- 過去分詞:①動作が完了したこと、②受け身的に何かをされたことをいうときに使う形
今日は感覚をつかんでもらうために例をいくつか見ていきます。
これから説明する例でもわかるように、動詞の活用の仕方には明確なルールがあるわけでなく、実に自由にその形を変えます。ですので、腹を決めて動詞毎に活用を覚えていくしかありません。
これが基本英文法の山場であり、第一関門なのです。
動詞の活用をどれだけ沢山覚えていくかによって、これからの英語人生が左右されるといっても過言ではありません。動詞に出会う度にノートや単語帳に書き留めてしっかり覚えていきましょう。
be動詞の活用
まずはbe動詞の活用を見てみましょう。
be動詞の活用は以下の通りになります。
<be動詞の活用>
まず、原形は「be」となります。原形が「be」であるために、be動詞と呼ばれるわけです。
現在形と過去形は、主語の人称と数によって色々な形に変わるように見えますが、実は、特殊なのは、1人称単数、3人称単数の場合だけで、2人称と1・2・3人称の複数の場合は共通しています。
現在形なら「are」、
過去形なら「were」という具合です。
現在分詞は、原形「be」に「ing」をつけます。
過去分詞は、「been」という形になります。
以上ですが、これは何度も何度も繰り返し覚える努力をして覚えなければなりません。
一般動詞の活用
では次に一般動詞の活用を見てみましょう。
「行く」という意味の「go」の場合を見てみます。
<一般動詞「go」の活用>
- 原形は「go」
- 現在形は、主語が3人称・単数の場合の除き、原形と同じ「go」
- 主語が3人称・単数の場合は、「go」に「es」を付けて「goes」
- 過去形は姿を変えて「went」
- 現在分詞は、原形「go」に「ing」をつけて「going」
- 過去分詞は「gone」
次に「走る」という意味の「run」を見てみます。
<一般動詞「run」の活用>
- 原形は「run」
- 現在形の場合は、主語が3人称・単数の場合を除き、原形と同じ「run」
- 3人称・単数・現在形の場合は、「run」に「s」をつけて「runs」
- 過去形は若干形を変えて「ran」
- 現在分詞は原形「run」の最後の「n」を重ねた後に「ing」をつけて「running」
- 過去分詞は原形と同じ形「run」
最後にもう一つだけ一般動詞「take」(~を取る)の活用を見てみます。
<一般動詞「take」の活用>
- 原形は「take」
- 現在形の場合は、主語が3人称・単数の場合を除き、原形と同じ「run」
- 3人称・単数・現在形の場合は、「take」に「s」をつけて「takes」
- 過去形は形を変えて「took」
- 現在分詞は原形「take」の最後の「e」を取り除いてから「ing」をつけて「taking」
- 過去分詞は「taken」
このように活用します。
活用に法則性がある「現在形」と「現在分詞」
一般動詞の3つの例を比べてみて、何か共通するものに気付きませんか?
実は動詞の活用に以下のような特徴があるのです。
<活用パターンの特徴>
- 主語が3人称・単数で現在形の場合を除くと、原形と現在形は同じ。
- 主語が3人称・単数で現在形の場合は、原形に「s」か「es」を付ける。
- 過去形の変化には法則性がない。(ゆえに、気合いを入れて覚えるしかない)
- 進行形は、基本的には原形に「ing」を付ければ良い。
- 過去分詞の変化に法則性がない。(ゆえに、気合いを入れて覚えるしかない)
何を言いたいかというと、実は無駄に全てを覚える必要はなくて、
- 主語が3人称・単数の現在形
- 現在分詞
この2つの変化の仕方は一定の法則性があり、多少のバリエーションがあるだけですので、その法則を覚えてしまえば良いだけで、やみくもに覚える必要もありません。
本当にゼロから覚えるなければならないのは、
- 原形
- 過去形
- 過去分詞
ということになります。
goなら、「go – went – gone」、runなら「run – ran – run」という具合です。
これをリズミカルに何度も口に出して覚える必要があります。
主語が「3人称・単数」の場合の「現在形」の作り方
主語が3人称・単数で、現在のことを話したい時に、動詞に「s」か「es」を付けるのですが、どういう時に「s」を付けて、どういう時に「es」を付けるのか、については、「【初心者向け】英文法:述語を含むパート(1回目)動詞をわかりやすく説明、なぜ3単現にはSをつけるのか?」で簡単に触れていますので、そちらをご参照下さい。
端的に言えば、基本は「s」を付けることが基本だが、言い難い場合には長い歴史の中で「es」を付けるようになった、ということです。
現在分詞の作り方
法則1:基本パターンは「原形+ing」
さて、それでは、現在分詞の作り方にはどのような法則があるのでしょうか?
まずは、動詞の原形に「ing」を付けることが基本になります。
例
- go(行く) ⇒ going
- sing(歌う)⇒ singing
- dream(夢見る)⇒ dreaming
まずはこれをおさえましょう。
法則2:最後の文字の直前の母音が短母音の場合:最後の文字を2つ重ねて「ing」
なんだかややこしいですね。
ただ実際の単語を見ながらですと簡単です。
「run」のように、最後の文字「n」の直前の「u」の発音が短母音といって、短く歯切れよく発音する場合、最後の文字を2つ重ねてから「ing」を付ける、という法則があります。
「run」は「ラーン」という発音でなく、短く歯切れよく「ラン」と発音します。このような母音を短母音と言います。
ですから、「running」となります。最後の「n」を二つ重ねて「ing」を付けるのです。
例えば「swim」(スウィム)という単語も同様です。
最後の「m」の前の「i」の発音は、短く歯切れよく発音する短母音です。
「スウィーム」でなく「スウィム」と発音しますので、現在分詞は、
「swimming」と「m」を二つ重ねて「ing」を付けます。
get(~を得る)も同様に、「getting」となります。
「sing(歌う)」の「i」も短母音ですが、現在分詞は「singing」です。
なぜ「singging」と「g」を重ねないのでしょうか?
それは、「i」の後ろに「ng」と子音文字が2つ存在するからです。
このように、最後の母音が短母音であっても、その後ろに子音文字が二文字以上あれば、最後の子音を重ねる必要はありません。
子音の文字が一文字しかない場合に、最後の子音文字を重ねるのです。
法則3:最後が「e」で終わる場合は「e」を取って「ing」
動詞の最後の文字が「e」で終わる場合、その「e」を取って「ing」を付ける、というルールもあります。
例:
- take(取る)⇒ taking
- make(作る)⇒ making
- fade(色あせる)⇒ fading
まとめ
今日は、動詞の活用を見てきました。
一旦、今日見てきたポイントを以下にまとめます。
- 動詞の活用には、原形・現在形・過去形・現在分詞・過去分詞の5種類がある。
- 「原形・過去形・過去分詞」の変化には法則性がない。気合で覚えること!
- 主語が3人称・単数の現在形と進行形には変化に法則がある。その法則を覚えたほうが近道。
- 主語が3人称・単数の現在形には、動詞の最後に「s」か「es」を付ける。
- 現在分詞は、動詞の原形に「ing」を付けるのが基本。ただし、以下のような変則ルールがある。
- 動詞最後の子音文字の直前に短母音がある場合、最後の子音を二つ重ねて「ing」を付ける。(run ⇒ running)
- また、動詞の原形の最後が「e」で終わる場合には、その「e」をなくして「ing」を付ける。(take ⇒ taking)
今後、こうした動詞の活用はどのような文で使われるのか、について見ていきますよ!