【概要】
前回まで、
・(冠詞)+名詞
・代名詞
どちらかを使って、英文の主語を作ることができる、という話をしました。
英文で主語になれるのは名詞の仲間ですから、名詞や代名詞であれば、主語になることができます。
そして、英語の文には、必ず、1つの主語と1つの述語がそれぞれあります。
必ずペアで必要です。
述語とは、主語を受けて、主語が「どうする」、主語が「なんだ」と、主語の動作・状態などを述べることばです。
今日はどうすれば、英文で述語を作ることができるのかを、簡単に説明します。
述語になれるのは「動詞」だけ
英語には、「述語になれるのは動詞だけ」というとても重要なルールがあります。
英文を読んだり聴いて理解する上で、このルールが非常に重要になります。
名詞、形容詞、副詞などは、述語になれません。
前回、主語になれるのは「名詞の仲間だけ」と話しました。
名詞と名詞として扱われる「代名詞」など、「名詞の仲間」は主語になれる、というものでした。
では、述語はどうでしょうか?
動詞の仲間になる品詞はありません。
ですから、述語になれるのは動詞だけであり、その他の品詞は述語にはなれません。つまり、主語を受けて、それがどうした、とか、それがなんだ、と結論を述べることができるのは、動詞だけです。
主語の後に動詞を置く、という語順が重要
英語のルールとして、主語の後に、なるべく早い段階で結論である動詞を置く、というものがあります。
主語を言ったら早く結論を言いたくなるのが英語です。
例えば、「僕は学校に行った」という文があれば、英語なら「僕は行った、学校に」というイメージです。
主語+述語という語順が大切なのです。
主語によって形が変わる
動詞は文の中のさまざまな要素によって、その形を変えます。
具体的には以下のような要素に影響されて形を変えます。
- 文の種類:
平叙文なのか疑問文なのか、など。 - 主語の人称:
1人称・2人称なのか?3人称なのか?
➡︎ここは重要 - 主語の単・複:単数なのか?複数なのか?
➡︎これも重要 - 助動詞の有無:助動詞をつけるのか?つけないのか?
- 態:能動態とするのか?受動態とするのか?
- 時制:過去のことか?現在のことか?など。
これら全部を考慮してはじめて、動詞の形が決まります。
面倒くさいですね。
まずは、主語がどう影響を与えるのか、を説明します。
動詞は、主語の「人称」と「数(単数・複数)」に影響されて形を変えます。
前回、主語のパート(代名詞)で説明したように、主語には「人称」と「数」の概念が必要だ、と話しました。
人称とは、会話における話し手と、他の人・もの・事柄との関係性を分類した文法用語のことでしたね。
- 1人称とは、会話における話し手(自分)のこと。「わたし」「わたしたち」
- 2人称とは、会話における聞き手(相手)のこと。「あなた」「あなたたち」
- 3人称とは、それ以外。「それ」「それら」
そして、主語は名詞ですから、数の概念も重要な要素ですね。
要は、
- 一つだけのことをいっているのか?(これを単数といいます)
- 二つ以上のことをいっているのか?(これを複数といいます)
ということです。
これら2つの要素に応じて動詞は形を変えます。
どうかえるのか?については、少し後で、説明します。
動詞の種類:be動詞と一般動詞
動詞には大きく2つの種類が存在します。
「be動詞(ビーどうし)」と「一般動詞」です。
- 「be動詞」は主語の状態を表すときに使う動詞で、「~(という状態)だ」といいたい時に使います。
- 「一般動詞」は主語の動作を表すときに使う動詞で、「~する」といいたい時に使います。
<動詞の種類>
be動詞:「=(イコール)」の意味
まずはbe動詞の種類を見てみます。
<人称とbe動詞>
主語の人称と数(単数・複数)によって形が変わっているのがわかります。
例えば、
僕は少年だ。
という文章を作りたかったら、
I am a boy.
となります。
主語が1人称の単数「I」ですので、be動詞は「am」となる、といった具体に変化します。
「a boy」の「boy」は少年という意味の名詞です。
boyは数えられる名詞ですから、一人であることを表すため「a」という冠詞を付けなければなりません。
厳密に訳すと、「僕は一人の少年だ」となります。
「原型」「現在形」「過去形」「現在分詞」「過去分詞」とは、動詞の活用の仕方ですが、これについては別の機会に説明します。
とりあえず、主語によって形が変わる、ということを覚えておいて下さい。
またbe動詞の種類はこれだけしかありません。
少ないですね。
be動詞は、状態を表す動詞で、通常訳すと「~である」となります。
つまり、「~」という部分が必要で、通常これだけでは文として意味をなしません。
普通はbe動詞の後ろに何らかの言葉が必要になります。
別の例を使って「~」の部分に言葉を入れてみます。
例)
It is an apple. (それはりんごだ)
これで完全な文となります。
この「apple」や「a boy」のことを、補語といいます。
主語が3人称の単数の「It」ですから、述語のbe動詞は「is」になります。
そして補語として「an apple」をつけてるわけです。
上記2つの例からも分かるように、
主語とbe動詞の後ろにくる補語には「=(イコール)」の関係
が成立します。
主語の「I(僕)」と「a boy(少年)」には、「=(イコール)」の関係が成立します。
主語「it」と「an apple(りんご)」は「=」の関係です。
これがbe動詞の意味上の大きな働きです。
一般動詞:「動作」や「作用」を表す
一般動詞とは、be動詞以外の全ての動詞のことです。
ですので、be動詞のように数に限りがあるということはありません。
一般動詞の数としてはかなりたくさんあります。
動作や作用を表現することばですから、例えば、走る「run」、書く「write」、話す「speak」など、たくさんあります。
では、一般動詞が、主語の人称と単・複によってどう形が変わるのかを見てみます。
<一般動詞の変化(動詞:「run(走る)」の場合)>
さて、上で注目したいのは、主語が3人称で単数の現在形のときの動詞の変化です。
「runs」と最後に「s」が付いています。
これが、一般動詞のとても重要なルールです。
このように主語が
・3人称
・単数
である場合で、
・時制が現在
である場合には、動詞の語尾に「s」か「es」がつくのです。
逆に言えば、こうすることによって、主語が3人称の単数であることを表現します。
よく「三・単・現のs」などと呼ばれたりしていますね。
3人称の単数以外は全て現在形であれば「run」、過去形であれば「ran」という形は同じです
主語が3人称単数の場合だけ、動詞の最後に「s」が付いています。
ココに注意
名詞の複数形を表現する時に、名詞の最後に「s」「es」を付けましたが、それとは別物です。
今回は動詞の変化について話しています。
名詞の複数形に「s」「es」をつけますが、どういう時に「s」を付けて、どういう時に「es」をつけるのか?というルールは、名詞の時と同じです。
例えば、「cross(渡る)」という動詞があります。
主語が3人称の単数で、時制を現在とする場合、
「crosses」と語尾に「es」を付けます。
発音は「クロシィーズ」となり、「es」部分を「イーズ」と発音します。
名詞の複数形の時と全く同じです。
「crosss」としてしまうと、言い難いので、「es」を付けて、言いやすくしている、と理解できます。
なぜ、3人称の単数で、時制は現在のときに「s」または「es」を付けるのか?
正直、全く分かりません・・・。
しかし、3人称の単数、現在形を、このように特別扱いした歴史的な理由は何かしらあるはずです。
1.社会・文化的な理由:
貴族などが使っていて、おしゃれだからそれが残った
2.機能的な理由:
3人称単数現在形を特に別と言い分けるなんらかの必要性があったか、無いと困るから
3.理由無し:
どこかの方言か何かで、たまたま残ってしまった、今後なくなる方向性
上記のいずれかではないか、と推察されます。
私の仮説では、「2.機能的な理由」からなのではないか、と考えています。
英語は言葉ですから、会話を持つことにその本質的な用途があります。
会話では、1人称は「わたし」のみ、2人称は「あなた」のみですから、その他全てが3人称であり、主語になれる名詞の種類を考慮すると3人称単数の数が最も多くなります。
しかし、会話で重要なのは「わたし」である話者と、「あなた」である聞き手です。
そこで、あまり重要でない3人称の単数が頻出することになります。
そこで、3人称単数が主語となる動詞に「s」を付けることで、「今は、私とあなた以外のことについて話しているんですよ」と区別を明確にすることで話題をより明確にしたかったのではないか。
3人称単数のbe動詞は、「is」で、はやり「s」で終わっていますから、3人称単数の動詞に「s」を付けるのが自然なのだと思います。(ちょっと強引でしょうか・・・?しかし、偶然というには惜しい一致)
ところが、前回、代名詞の部分で見たように、「he」「she」「it」が全て「they」一文字になったり、主語が複数形の時の「be動詞」が全て「are」となるなど、主語が複数になるととたんに扱いがぞんざいになる特徴がありますから、主語が複数の場合はもう面倒なので区別は要らない、ということで1人称、2人称、3人称共に同じ動詞となったのではないか。
また、動詞は、現在形と過去形で形が変わりそれだけで面倒ですので、それに3人称の単数で過去のことを話す場合に、更に別の活用を設けたら、めちゃくちゃ面倒になるので、言語のシンプル化の過程で、過去形の場合は他の人称と同じになったのではないか。
つまり、「区別は付けたいがシンプルにもしたい」という欲張りな感覚が、3人称単数現在形に「s」を付けた(あるいは、残してきた)理由なのではないかと推察します。
実際、英語で話しをしている時、動詞に「s」が付くと、「あ、今3人称の単数、現在なんだな」と分かりやすくなりますので、機能的な一面があるのだと思います。
まあ、かなり強引な仮説ですね。
今後、調査したいな、と思います。
まとめ
一旦、今日のまとめです。
1.
英文で述語になれる品詞は動詞だけである。
2.
動詞には、①状態を表す「be動詞」と②動作・作用を表す「一般動詞」がある。
3.
主語の人称・数によって、動詞の形は変化する。(①主語の人称 ②主語の数(単数・複数))
4.
主語+be動詞の組み合わせは以下。
人称 | 単数・複数 | 主語 | be動詞 |
1人称 | 単数 | I | am |
私は | ~である | ||
複数 | we | are | |
わたしたちは | ~である | ||
2人称 | 単数 | you | are |
あなたは | ~である | ||
複数 | you | are | |
あなたたちは | ~である | ||
3人称 | 単数 | it 等 | is |
それは 等 | ~である | ||
複数 | they 等 | are | |
それらは 等 | ~である |
5.
「主語+be動詞」の後ろには、通常補語が必要となる。
6.
主語+一般動詞の形は以下。(時制が現在形など、基本的な文の場合)
主語が3人称で単数、時制が現在の場合には、動詞の最後に「s」か「es」を付ける。
人称 | 単数・複数 | 主語 | be動詞 |
1人称 | 単数 | I | run |
私は | 走る | ||
複数 | we | run | |
わたしたちは | 走る | ||
2人称 | 単数 | you | run |
あなたは | 走る | ||
複数 | you | run | |
あなたたちは | 走る | ||
3人称 | 単数 | it 等 | runs |
それは 等 | 走る | ||
複数 | they 等 | run | |
それらは 等 | 走る |
以上、動詞の超基本でした。
シンプルですが、一旦これで、「主語+述語」までの部分が作れるようになりました。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
更に分かりやすく英語の勉強方法について説明する記事を挙げていきますので、こうご期待下さい!