【概要】
述語パートを作るとき、時制を考える必要があります。
時制とは「時の概念」です。
現在・過去・未来・・・といったものです。
英語の場合、日本語と比較して時制が多く、とても厄介ですが、時制の征服なくして英語の征服はありませんので、頑張ってマスターしましょう!
時制は、若干分量が多いですので、2回に分けて説明します。
「時制」1回目、今回のゴールは、
・全12通りの時制の意味するところを理解すること
です。
どのような形で各時制を表現するのか?については、次回やります。
基本英文法における「時制」の位置づけ
時制は、述語を含むパートを作るときに必要となる、時の概念です。
<図1.基本英文法の全体像>
時制:12通りの全体
まず、12通りにはどのようなものがあるのか、全体像を見てみます。
<図2.時制でとり得るパターン:12通り>
時制の概念:基本6つ
まずは、以下、赤枠で囲った「時制」部分について説明します。
<図3.説明箇所>
まず、過去、現在、未来。
これは
・過去のことを話しているか、
・現在のことを話しているか、
・未来のことを話しているか、
の違いです。
これは大丈夫ですね。
次に過去完了、現在完了、未来完了とは何でしょうか。
下の図を見ながら説明します。
<図4.「完了」の説明>
過去完了とは
1.話し手の目線が過去のある一地点にあります。
2.それよりも前に、
・既に動詞が示す状態であったこと、または
・動詞が示す動作が行われていたこと
を示す時に使う概念です。
例)
昨日気づいた時には、既に鍵を失くしていた。
(目線は過去の一地点) (過去完了)
現在完了とは
過去完了と基本的な考えは同じです。
1.話し手の目線が現在にあります。
2.現在までに、
・既に動詞が示す状態であったこと、または
・動詞が示す動作が行われていたこと
を示す時に使う概念です。
例)
今気づいたが、 鍵を失くしてしまった。
(目線は現在) (現在完了)
未来完了とは
過去完了、現在完了と基本的な考えは同じです。
1.話し手の目線が未来のある一地点にあります。
2.未来の一地点までに、
・既に動詞が示す状態であるだろうこと、または
・動詞が示す動作が行われているだろうこと
を示す時に使う概念です。
例)
明日には、 鍵を失くしてしまっているだろう。
(目線は未来) (未来完了)
単純形と進行形:組み合わせ2つ
次に、以下、赤枠で囲った部分について説明します。
<図5.説明箇所>
動詞が示す状態や動作が進行中であることを特に強調したいときに、「進行形」を使います。
特に、進行中であることを強調しなくても良い場合は、通常の文(単純形)を使います。
どちらか一つを使用できますので、単純形を用いてかつ進行形も、ということはできません。
上で見た、6つの時制、全てに単純形と進行形は使えますので、組み合わせとして、6×2で12通りとなるわけです。
以下、進行形を、最初に説明した6つの時制に当てはめてみます。
まずは日本語で確認します。
例)過去完了進行形:
昨日まで、ずっと英語の勉強をし続けていた。
(目線は過去の一地点) (過去完了進行形)
例)過去進行形:
昨日の6時ごろは、英語の勉強をしていた。
(過去) (過去進行形)
例)現在完了進行形:
今まで、ずっと英語の勉強をしていた。
(現在) (現在完了進行形)
例)現在進行形:
今、 英語の勉強をしている。
(現在) (現在進行形)
例)未来完了進行形:
明日まで、 ずっと英語の勉強をしているだろう。
(未来の一地点) (未来完了進行形)
例)未来進行形:
明日の6時ごろは、英語の勉強をしているだろう。
(未来の一地点) (未来進行形)
特殊な時制:4つ
実は、英語には、過去・現在・未来のほかに、「過去未来」とも呼べる時制があります。
<図6.過去未来>
そして、この「過去未来」も、
・過去未来完了
・過去未来
・単純形
・進行形
の4つをとり得るので、正確に時制の数でいうと、16ある、と言えます。
過去未来とは、一義的には「過去のある一地点からみた未来」について語る時に使われます。
例)
昨日は、 買い物にいくつもりだった。
(過去の一地点) (過去からみた未来)
しかし、この「過去未来」は、
文脈によっては「もし~なら、xxxだったのに」という、現実には起きていないが、もし起きたとしたら、という仮定を置いて話す「仮定法」として使われるケースが多いため、特殊ケースとして別個に扱おうと考えています。
まとめ
1.
英語の時制(時に概念)には全部で12種類ある。
2.
過去完了、過去、現在完了、現在、未来完了、未来の6つに対し、
・動詞が単純形
・動詞が進行形
2つの形を取りえるため、合計12種類となる。
3.
「完了」とは、時間軸におけるある一地点から見て、その時までには既に動詞が示す状態であったこと、または、動詞が示す動作が行われていたことを示す概念である。
4.
「進行形」とは、ある時間軸における一地点において、状態や動作が進行中であることを強調したい時に使う表現である。
5.
過去・現在・未来に加えて、「過去未来」が時制として存在するが、特殊ケースとして考えたほうが良い。
以上、時制の1回目でした。
各時制の時間軸における概念について、ご理解頂けたでしょうか。
次回は、時制の形、どうやって英語で各時制を表現するのか、についてご説明します!
最後までお読み頂き、ありがとうございました!!