国際結婚のメリット・デメリット、向く人・向かない人

こんにちは。

国際結婚経験者のこじたむです。

最近では国際結婚(夫婦の一方が日本人、もう一方が外国人)もちらほら見かけるようになりました。

しかし、まだまだメジャーとは言えません。国際結婚に興味があっても、なかなか直接体験者の声を聞くことができません。

そこで、今日は、

こんな悩みを解決するよ
悩み
  • 国際結婚ってどの程度メジャーなの?
  • 国際結婚に興味があるけど、どんないいことや障害があるの?
  • 実際、経験した人に「リアルな声」を聞いてみたい。

といった悩みに答えていこうと思います。

かく言う私は、以前、アメリカ人との結婚・離婚経験がありますし、周りにもそういう友人が何人もいましたので、少しはお役に立てるのではないか、と思っています。

これからお話することはあくまで私の個人的な意見を多く含みます。最終的には人それぞれで状況や結果が変わる、という点をご理解頂きつつ、参考にして頂けたら嬉しいです。

目次

国際結婚はどの程度メジャーか?(国際結婚の割合)

近年、国際化と言われて長い年月が過ぎていますが、結婚についてはどうでしょうか。どの程度メジャーな存在になっているのでしょうか。

以下のグラフは政府がまとめた2019年の人口動態調査報告書の抜粋です。

1965年では国際結婚は、全婚姻件数の0.4%とかなり少なかったのですが、1980年代後半から急速に伸び始め、2006年には全体の6.1%にまでになりました。

しかし、それ以降急速に件数が減っています。不法な結婚に対する取り締まりを厳しくしたからのようです。と考えると、現在の国際結婚の割合はある程度適正な数字になっていると仮定することができます。

2019年時点では、

  • 婚姻件数は約60万件(599,007件)
  • うち、国際結婚は約2.2万件(21,919件)

全体の3.7%となっています。

たったの3.7%ですから、100組の夫婦がいたら、そのうち4組いるかいないか、ということです。まだまだメジャーな存在とは言えないようです。

更に、グラフ中の

  • 青い棒は、国際結婚のうち、夫が日本人、妻が外国人である件数
  • 赤い棒は、国際結婚のうち、妻が日本人、夫が外国人である件数

となっています。

夫が日本人である割合は国際結婚のうち約7割だそうです。妻が日本人である割合は約3割ということです。

つまり、妻が日本人の国際結婚は、全体の婚姻件数の1%強に過ぎず、かなりマイナーな存在である、と言えそうです。

国際結婚はどの程度メジャーなのか?
国際結婚(夫婦の一方が外国人である婚姻件数)の割合:3.7%
国際結婚は全体の3.7%
国際結婚のうち、妻が日本人である割合:約30%
妻が日本人である割合は約3割
全体の婚姻のうち、妻が日本人である国際結婚の割合:約1%強
妻が日本人である国際結婚はかなりマイナーな存在

以上から、国際結婚をすると、周りには同じように国際結婚をしている夫婦がいないため、国際結婚特有の悩みや障害に出くわしたときには、共有したり相談したりできる人がいない確率が高いため、自分で解決したり、相談できる場所を探してくる必要が出てくる、ということになりそうです。

国際結婚のメリット

少しネガティブことを書いてしまいましたが、メリットがないわけではありません。

恋愛結婚なのであれば、好きな人と一緒に暮らすことだけでも大きなメリットと言えます。それは、どの結婚でも同じですから、その点については今回は置いておいて、外国人と結婚することのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

メリット1:異文化を身近に体験できて飽きない

まずなんと言ってもこれがあるのではないでしょうか。

日本では思いもかけない習慣や考え方があって、「へー、そんなことするんだー」とか「そんな風に考えるんだー」なんて感心することも多く、勉強になったりします。

例えば、私の元妻は白人でしたから、通常の日本人からすると、ぱっと見てすぐ外国人だと分かります。するとほとんどの日本人は初対面の時、英語で話してくるし、いつも特別扱いされて、とにかくそれが嫌だ、というのです。

日本人の私からすれば、それは何も差別とかそういう類の感情ではない、ということは分かります。しかし、元妻からすれば、見た目で判断すること自体間違っているというのです。

それ以来、私の外国の人に対する初対面の対応ががらっと変わりましたし、どう行動するのが世界的に正しいのか、など考えるきっかけになりました。

メリット2:自分や子供がバイリンガルになる可能性がある

外国人であれば、普通は出身国の言葉を流暢に喋るネイティブなわけですから、日本人からすれば相手の国の言語を習得するよい機会となります。

私の場合は元妻がアメリカ人でしたから、「英語でこれはなんて言うの?」なんていう質問をよくしていました。また、英語で何か書いたりした時にも添削してくれたりしていました。

更に面白いのは、「へー、ネイティブでもこんなところを間違えるんだ」と気付いたこともあるということです。

例えば、

would have ~(動詞の過去完了).

という仮定法の表現がありますね。これを彼女は、

would of

だと言い張るのです。私は英語の文法書を見せて詳しく説明して、やっと理解してくれましたが、こういう「ネイティブの感覚」みたいなところを発見できたことは、英語習得に貢献したかな、と思います。

外国語が習得できれば結構仕事でも役立ったりすることもありますので、実利的なメリットと言えるでしょう。

また、子供がバイリンガルになれる可能性はかなり高くなります。

国際結婚夫婦でよくみかけるのが、外では現地の言語、家では親の言語を話すというものです。子供は大抵バイリンガルになっています。

メリット3:すぐ溶け込める

これは外国人としてその国に住んでいる側の目線なのですが、片方がその国のネイティブである場合、一般的な習慣や常識、物事のやり方など、様々なことに精通してすぐに教えてくれるわけです。単に外国人として住んでいる場合には時間をかけて解決するような問題も、一瞬で解決できたりします。

例えば、日常生活で言えば、バス、タクシー、電車の乗り方から、交友関係や会社での常識など挙げたら切りがありません。こういったことは、純粋に外国人として住んでいる場合、本で調べたり、職場や学校の友達に聞いたりして、時間をかけてやっとわかるようなことですが、自分の伴侶がその国に精通しているわけですから、一瞬で解決したりします。

この「時短」はとても大きなメリットだと思います。

メリット4:人と違っても良いという「勇気」と「優越感」を持てる

日本では国際結婚は全体の3.7%ですから周りにはほとんどいません。ですから、他の夫婦とは違います。次第にこれが当たり前のようになってきて、自分が人と違うことに鈍感になってきます。また、そういった表面的な違いだけで特別扱いされたり、区別されたりすることに対して憤りを感じてきますので、人と違っていても自分は他人を特別扱いしたりするのは止めよう!と強く思ったりします。「人と違ってもいいんだ」という「勇気」や「信念」のようなものが生まれてきます。

一方で、ちょっと矛盾しているのですが、自分は特別で凄いんだ、と思うこともできます。実際、周りからはしょっちゅう「凄いね」などと感心する優しい言葉をかけられることが多かったので、そんな勘違いが生まれたのだと思います。

誰に迷惑をかけているわけでもありませんから、優越感に浸れるのであれば浸っちゃえ、と思いますし、国際結婚にはその土壌があると思います。

メリット5:とにかく人生が深くになる

実はこれが一番のメリットかな、と思います。

これまでの「当たり前」が崩されることも多く、それをきっかけに物事を深く考えたり、物事を多面的に見る癖が付いたように思います。

また、それなりに苦労も多いですので、こう考えると「日々是修行」を実践しているかのごとくで、自分の人生がより深まったかな、と思いますし、見た目や考えが自分とは違う人に出会っても、「この人はこういう人なんだ」と割り切りもでき、以前と比べて心も寛大になったかな、と感じたりします。

国際結婚のデメリット

ここまで書いてきますと、国際結婚とは人格形成までしてくれて、良いこと尽くめのように見えますが、デメリットももちろんあります。

デメリット1:色んな手続きが面倒

国際結婚のデメリットと言えば、まずこれでしょう。

例えば、婚姻届けを出すにも、通常なら不要な書類(多くは証明書類)を国や大使館から取得する必要がります。

一例に神奈川県川崎市の例を見てみましょう。

婚姻する外国人について婚姻要件具備証明書、パスポート、出生証明書、国籍証明書等が必要です。外国方式で婚姻した場合(報告的届出)は、婚姻証書及びその訳文、パスポート等が必要です。国によっては、そのほかに必要な書類がある場合もありますので、あらかじめ戸籍係(担当)に確認の上お越しください。

引用元:川崎市ホームページ

私の場合、これを見てまず「婚姻要件具備証明書」って要は何ですか?と質問するところから始まりそうです。(笑)

気になるのが「更に必要な書類がある場合もありますので」という一文ですね。これを戸籍係(担当)に電話して確認することになります。

一事が万事こんな具合ですから大変です。また、行政の方も慣れないことが多く、回答に時間がかかることも頻繁にあったように思います。

デメリット2:「sense of humor」が異なる

「sense of humor」とは直訳すれば「笑いの感覚」という意味です。これはよくアメリカに住んでいる時に好みのタイプとしてよく聞く言葉でした。要は「笑いのツボが同じ人が良い」ということです。

よく考えると、これは非常に良い表現だな、と思うのですが、単に「笑いのツボが同じ」というのではなくて、「色々共感できる人が良い」ということを一言で言い表しているのだと思います。要は小さなことから大きなことまで「文化」が異なる、ということです。

小さなことで言えば、例えば、自分が子供の頃、見て育ってきたテレビ番組や人気だった漫画や歌手など、当然異なりますので、そういったことで盛り上がることは基本できません。

大きなところで言えば、

  • 家族や親せきとの付き合い方
  • お金に対する考え方
  • 子供教育方針に対する考え方 などなど

家族にとってとても大切なことに対する考えが異なるのが普通ですから、そこから大きな問題へ発展する可能性が高い、と言えます。

日本人同士であっても食い違いが絶えないのですから、外国人ともなると更にギャップが大きくなるわけです。

共感を大切にする人にとってはかなりハードルが高いと思います。

デメリット3:言葉の壁がある

色々なことを深いレベルで話合わないといけなくなるのが夫婦です。そういう時に、どんなに相手の国の言葉を流暢に話せるとしても、デメリット2で挙げた「感覚」が異なることも邪魔して意思疎通が難しくなる場合はあります。

ですから、

  • 片方が相手の国の言葉をかなり深く理解し話せるようになるか
  • 細かいことは全く気にしないおおらかな性格であるか
  • 言葉の壁が大好きか

いずれかでなければ大きなストレスとなってしまいます。

デメリット4:「どっちの国に住む?」が出発点になる

日本人同士であれば、多くは日本を定住地とするでしょう。海外好きの夫婦ならいざ知らず、日本に住むというのは大前提で、あまりそこを深く考えたり、議論したりしません。

しかし、相手が外国人であると、そもそもどちらの国に住もうか、というところから話し合う必要が生じます。そして、どちらにしても、片方にとっては外国に住まなければならないということです。

若い頃は刺激があって外国に住むことに魅力を感じていても、年を取ってくると故郷が懐かしくなるものです。しかし、どんなに帰りたくても、子供は成長しているし、その国に根をはって生活していますので、そこから離れることが難しくなり、半ば諦めの境地で過ごしていくことになりかねません。

とにかくこの国大好き!という人であればそういう問題もないかも知れませんが、少なくとも私は最後は日本に帰りたくて仕方がありませんでした。(笑)

デメリット5:とにかく疲れることが多い

これまでのデメリットを見てもらえば分かると思うのですが、とにかく疲れることが多いです。

文化、言語は異なりますし、しょっちゅう外国人である相手をフォローする必要がありますし、行政手続きなどは面倒だし、人からは多くの場合特別扱いをされますので、私の場合は、まあとにかく疲れましたね。

だから結局離婚しちゃったんだと思いますが。(苦笑)

国際結婚に向いている人・いない人

では、どんな人が国際結婚に向いているのでしょうか。

上記のようにメリットとデメリットを整理してみるとよく見えてきますね。

異文化を楽しめる人

国際結婚をしていてうまくいっている人を見るとよく感じるのが、異文化を心の底から楽しめる人です。

私の友人でも「とにかく外国が好き!」「絶対外国に住みたい!!」と強く思っている人がいて、実際外国に住んで現地での生活を大変エンジョイしています。また、別の人は英語が大好きで自分がアメリカに住んで英語を話し、どんどん上達していくのが好き、みたいな人もいます。

そういう異文化を心の底から楽しめる人は、国際結婚にも向いている人なのだと思います。

逆に異文化に興味がない人や、どちらかと言えば、平穏に暮らしたいという人は向いてないかも知れません。

忍耐力がある人、または寛容でおおらかな人

非常に深いとことでの共感を相手に求めない人や、相手の違いを許容できる人は問題ないと思います。これは、とても忍耐力のある人か、そういう細かいことを気にしないおおらなか人なのだと思います。

どちらかというと深いところで共感できる人が良い、という人はあまり向かないと思います。

とことんコミュニケーションががとれる人

色々なことに対して意見が異なっても、それを解決するにはコミュニケーションしかありません。

日本人のように以心伝心でなんとかなる、という文化は世界的に見れば少数派であるように思います。自分を主張し意見が異なればコミュニケーションをとって解決していきましょう、という文化も多いですので、これにとことん付き合える人が、国際結婚に向いていると言えます。

コミュニケーションは苦手であったり、そういうのが面倒だという人はあまり向いていないでしょう。

他人と違うことを楽しめる人

国際結婚は少数派です。少数派であることを楽しめる人、少なくとも苦にならない人は国際結婚に向いていると言えるでしょう。

人と違うことを気にする人や特別感なんていらない、という人はとても神経が磨り減る経験となりそうです。

まとめ

今回は、国際結婚のメリット・デメリットを私の経験も交えながらお話しました。

文化、習慣、言葉が異なることや、行政手続きが面倒だというデメリットもありますが、身近で異文化体験ができますし、言葉の習得の面や、ちょっとした特別な感覚が得られるというメリットもあります。大変なことも多いですが、その分、自分の視野が広がり、人生の深みが増してくるのも事実です。

国際結婚をする前には、お互いの国について理解を深めてながら、家族や親せきとの付き合い、お金に関すること、子育てに関すること、またどこに住むのか、といった現実的なことを事前に確認して大事だと思います。

そういう大切な部分を事前に確認して自分が相手を理解して許容できるか、気にならないか、気になるのであれば相手とコミュニケーションをとことん取って解決できる人か、自分は異文化を楽しみ、人と違うことも気にせず暮らしていけるだろうか、そういった視点で自分を客観的に見つめなおすことは、長く幸せな国際結婚をするにあたり、とても大切なことです。

以上を参考にして頂いて、少しでも国際結婚生活について理解を深めてもらえれば幸いです。

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